2つの’64 LINCOLN CONTINENTAL比較レビュー。同じ名前で同じ車種。なのに別モデル!?
2017/12/22
ホットウィールには同じ名前で違う車種、違う名前で同じ車種というものが両方存在しています。
また、同じ名前で同じ車種扱いだけど、微妙にバージョンが違うというものもありました。
[参考]FAST GASSINのレビュー。2016年に第単なリキャストをさせられたモデル!
今回紹介するのはそのどれでもない、「同じ名前で同じ車種なんだけど別モデル」というものです。
ええい紛らわしい!!!w
’64 LINCOLN CONTINENTALのレビューです。
’64 リンカーンコンチネンタル×2のレビュー
’64 LINCOLN CONTINENTALはホットウィールにおいて2種類存在しています。
1種類めは2000年にデビューしたオープンカーのもの。
もう1種類は2007年にデビューしたハードトップのものです。
どちらも「’64 LINCOLN CONTINENTAL」という名称でありながら、仕様が異なるので「別の車」という扱いになっています。
僕は昨年の007アソートの’64 LINCOLN CONTINENTALをサンクスで入手していたのですが、たまたま同じようなブラックカラーの2000年のモデルを先日リサイクルショップで見つけたので比べてみようと思いました。
Hot Wheels Wikiaによれば、2000年の方はMichael Kolins氏、2007年の方はJun Imai氏がデザインを手掛けています。
LINCOLN CONTINENTALについて
リンカーンは第16代大統領の名前が由来となっている、言わずと知れたフォード社の高級車ブランドです。
コンチネンタルは当時、高級路線に消極的だったヘンリー・フォードに対して、息子のエドセルが試作品のコンチネンタルをフロリダで乗り回したところ、富裕層からの発売を望む声が高まったことから量産化に至ったシリーズ。
ホットウィールにおいては1969年のレッドラインに「CUSTOM CONTINENTAL MK III」というモデルがありますが、同じコンチネンタルでも向こうは「マークシリーズ」と呼ばれる第5世代のコンチネンタルで、ここで紹介するものはそれより1世代前の第4世代コンチネンタルです。
高級車でありながらホットウィールには派手なペイントをされたものが多く、なかなかシンプルなデザインのモデルというのがない点はとても「ホットウィールらしい」と思います。
他のミニカーではできない芸当ですね。
007アソートについて
007アソートは日本においては「HW 007 ジェームスボンド アソート」として、2015年末にサークルKサンクス限定で発売されました。
一応限定発売なのでトイザらスとかでは買えなかったのかな?僕は見かけませんでした。
サークルKサンクスでも取り扱いのある店舗とない店舗があり、数店巡ってなんとかゲットした一台です。
店頭価格で380円ぐらいだったと記憶しています。
サイドラインのランクとしてはBMWやワイスピアソートと同等。
ベーシックカーがやや上質な造りになっているものと言った感じですね。
それでは2007年モデルと2000年モデルの各部を比べながら見ていきましょう。
フロント・リア
第4世代コンチネンタルは1961年から1969年まで製造された車で、同じ世代のモデルでも全然表情が違っており、1961年のモデルなんかはフォード・サンダーバードの第三世代ととてもよく似ています。
今回比較する2台は両方とも1964年の車種をモデル化したものです。
フロント・リアともに良く似ていますね!
というか、ほぼ同じです。
グリルのモールドが、若干2007年の方が甘いかなってぐらいで、同じパーツの流用と言ってもおかしくないぐらいですね。
サイド
まずは2007年の007シリーズ。
漆黒のコンチネンタルはまさに「高級車」といった印象です。
インテリアもダークカラーでまとまっており、かなりクラシカルな雰囲気に仕上がっています。
アクセントで塗ってあるドアノブやワイヤースポークのタイヤもいい感じですね。
ハードトップ部分にはリンカーンのエンブレムが、テールフィン部にはコンチネンタルのロゴがそれぞれ印刷されていました。
こういうさりげなさも高級車らしさを演出してくれています。
一方2000年のオープンカーはこちら。
1964年のコンチネンタルにコンバーチブルモデルがあったそうなので、これはコンバーチブルなのかもしれません。
そう思うとハードトップをつけてあげることで2007年モデルになるわけですね。
インテリアがレッドなので、前述のモノトーンなコンチネンタルに比べて「わかりやすい高級感」があります。
ただ、タイヤが5dotsなのとオープンスタイルなので、よりスポーティで気軽な感じに見えなくもないですね~。
両方比べてみると、2007年のモデルがかなりローライダーなのがわかりますね。
そのあたりは「ジュンイマデザイン」って感じでしょうか。
よく似てると思っていましたが、こうやって並ぶとちょっとずつ違いがあるのがわかります。
どちらのモデルも、もうちょっとレトロなRRに履き替えたら、より高級感が出そうですね・・・!
トップ・ベース
2007年のモデルはトップから見ても真っ黒ですね。
インテリアもダークグレーなのでウィンドウカラーがまるでスモークしてあるかのように見えます。
ベースには2007年の著作年と、タイ製であることが記されています。
このモデルはマレーシア製のものもあるので、ベースの金型が違うかもしれませんね。
2000年のモデルはこちら。
なんとなくシャープさに欠けるような印象がありますね。
とはいっても、ほとんど2007年のモデルと変わらないように見えます。
ベースには1999年の著作年とマレーシア製であることが記されています。
こちらもタイ製のもの、中国製のものが存在しているので、それぞれ見比べてみたいところですね~。
二つをそれぞれ並べると、同じようで絶妙に違うことがわかります。
まずボンネット形状がわかりやすい違いですね。
2007年の方が先端に向けて狭まっているのに対し、2000年の方は真っすぐです。
トランクの大きさも違うみたいですね。
実車に忠実なのか、それともデザイナーによる差異なのかはわかりません。
ベースは同じデザインを元に起こされたものであることは明確ですが、やっぱり細かい部分が違います。
ただ、カシメ位置が同じなので、もしかしたらベースの取り換えっこは可能なのかも・・・?
可能なら、オープンカーでローライダーというコンチネンタルを作ることもできそうです。
・・・と思って、本当によーくよーく見比べてみると、絶妙に2000年モデルの方が車幅が狭いことがわかりました。
本当に、ほんの数ミリの差ですがボディもベースも狭いです。
なのでカシメ位置が合致したとしても、ボディとベースのサイズが合わないのでニコイチは難しいかもしれません。
おわりに
というわけで、2つの「’64 LINCOLN CONTINENTAL」のレビューでした。
面白いですね。
全く同じ名前で、同じ車種を作っているのに、同じように見えて微妙に違う・・・っていう。
ただ、前述しましたが、この違いはもしかしたら「製造国による違い」かもしれません。
実はホットウィールって、1968年の当初からUSと香港の両工場で同じモデルを作っていたのですが、同じ名前の同じモデルで全然仕様が違うものが存在しています。
以前レビューしたパープルパッションもそうでした。
[参考]Purple Passionの細かなバリエーション。年代や製造国による違いについて
もしかするとベースとなるデザインはあるものの、それぞれの工場において独自にデザインからモデリングデータを起こしてたりするのかな・・・?
これはもう中国製、タイ製、マレーシア製の全種を揃えて並べて比べたいですね・・・!
Comment
にわかマニアさん、こんにちは!!!
私はこのモデルの2017年アートカーズ版を持っているのですが、2000年のコンバーチブル版とはこんなに違うんですね。
モデルによってはコンバーチブルに屋根つけてハードトップにしたり、屋根外してオープンカーにしたりと金型改修されて別物になっちゃうモデルもありますから、コレクターにとっては頭を悩ませるポイントですよね。
それにしてもリンカーンはブラックが一番ですね!!!
最近は大統領専用車の座をキャデラックに完全に奪われちゃいましたが、ストーリー的にはリンカーンのほうが好きなので(笑)
他メーカーの1/43ミニカーだと歴代大統領車シリーズとか販売されてたりするんで、ホットウィールでも「プレジデントシリーズ」とかサイドラインでやってほしいものです。
林さん
こんにちは!!!コメントありがとうございます。
>私はこのモデルの2017年アートカーズ版を持っているのですが、2000年のコンバーチブル版とはこんなに違うんですね。
というか、林さんのブログからコンバーチブルの存在を知ることができたので・・・頭が上がりません。
>コレクターにとっては頭を悩ませるポイントですよね。
逆に言えばそれだけ楽しめる幅があるということでもありますね!
人はそれを「沼」と呼びますがw
>歴代大統領車シリーズ
面白そうですね!!
ていうか、もうあってもおかしくないのにな・・・ないのかな。
ホットウィールってどこまで掘ってもまだまだ出てくるっていう底なしな部分があって怖いですw
マニアさんこんにちは、トミカのようにパトカーになるとスケールが小さくなる、みたいな改悪ではないのでちょっと違うデザインだな…程度で済みそうですね。トミカはドア開閉のギミックあった金型からわざわざパトカー用に小さく、ギミックも無しで作ったという過去がありますから…
製造国の違い、私も興味あります。たまたま持っているF50ファーストエディション(屋根が開いている方)がIndia製だったので後に出た屋根が閉まってあるF50、Malaysia製なんかと比較してみたいですね〜
ヤフオクを覗いてみたら私が持っているF50はIndia製の他にMalaysia製、China製が出品されていていつかは手にしたいものです。
Kimiさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
>パトカーになるとスケールが小さくなる
トミカはそんなのがあるんですか~!知りませんでした。
とはいえホットウィールもスケールは均一ではないでしょうから、そこまで気にすることじゃないのかな・・・?
>わざわざパトカー用に小さく、ギミックも無しで作った
ああ、これを聞くとコスト的な問題なのかなと思えますねw
>F50ファーストエディション(屋根が開いている方)がIndia製だった
!!!
っていうか、ホットウィールでIndia製ってあるんですね!?初めて知りました。
同じモデルで製造国が違うものを集めるのも本当に楽しそうですw
コンチネンタルマニアさん、こんにちは、コンチネンタル入手おめでとうございます!僕はそのモデルはどちらも持っていません!いつかは欲しいですね。友達がサンクスで去年007のコンチネンタルを手に入れて、見せてもらいましたが、とてもかっこよかったです!!にしても、プラシャーシで、ボンネット開閉ギミックがオミットされていても構わないので、早くサイドラインでもメインラインでもカスタム・コンチネンタルを出して欲しいですね!!!ホットウィール五十周年を迎えるマテルに期待です。
harunamさん
コメントありがとうございます!
コンチネンタルマニアちゃうわい!w
このコンチネンタルはもう半年以上前に入手していて開けてなかったので、開ける機会が出来てよかったです。
>サイドラインでもメインラインでもカスタム・コンチネンタルを出して欲しいですね!!!
そうですね~。RLCで一度出たきりですからね・・・。
それだけホットウィールにとっても特別なモデルなのかもしれません。
こんばんは!
ホットウィールはハードトップモデルとコンバーチブルモデルを別々にラインナップされている車種が多いですよね。
丸っきり違うデザインでモデル化されているものと、今回のように細かいところを見比べると違いが判るものがあって興味深いです。
そういえば、日本だとコンバーチブルのモデルはあまり受けが良くないと聞いたことがあります。近所の西友やトイザラスでも、シェベルSSやマスタング、カマロのコンバーチブルが結構長い間残ってたのを思い出します。
私も集め始めたころは「ハードトップだけでいいか」とコンバーチブルモデルを避けて集めていました。
モデル比較に面白さを感じた今は両方集めちゃってます。これも沼ですね…
koishiさん
こんばんは!コメントありがとうございます。
>丸っきり違うデザインでモデル化されているものと、今回のように細かいところを見比べると違いが判るものがあって興味深いです。
こうやって「全部欲しい!」ってなっちゃうんですよねw
その気持ちをどう抑制していくのかが課題です。
>そういえば、日本だとコンバーチブルのモデルはあまり受けが良くないと聞いたことがあります。
僕もこのブログのコメント欄で同様の意見を頂きました。
なんで人気ないんでしょうかね・・・?デザイン的な問題なのかな。
僕個人としてはオープンカーって憧れがあったので好きですw
>モデル比較に面白さを感じた今は両方集めちゃってます。これも沼ですね…
これがマテルのやり方か・・・!w
こんばんは〜。
同名で違うモデルがあったり、車種は一緒だけどころころ名前が変わったりとホットウィールは色々とややこしいです。’70 Plymouth Barracudaなんかは最初、オープン仕様として登場し、後から特注品でハードトップ仕様が登場。最終的にはハードトップモデルもベーシックで登場するようになりました。
http://hotwheels.wikia.com/wiki/'70_Plymouth_Barracuda
若干造形が違うのは「製造国が違うから」であってるかと思います。
それがホットウィールクオリティ。
ちなみに実車だと剛性の問題があって、「ボディをぶった切ってオープンカーの完成!」というわけにはいきません。屋根の無い状態でも剛性を確保するため、ボディを強化したりします。なのでオープンカーは一見屋根が無い分軽いと思われがちですが、実は同じ車種のクローズドモデルよりも重かったりします。毎年の成人式でお馴染みのやんちゃな方達が乗る屋根のぶった切られたセダンは剛性が不足しているため、特に何もしなければ廃車コースとなります。
5踏みさん
こんばんは!コメントありがとうございます。
>’70 Plymouth Barracuda
うわー!これ面白いですねw
ハードトップ期にもちゃんとオープンのものも出てるんですね~。
ベースは同じ金型だったりするのかな・・・気になります。
>若干造形が違うのは「製造国が違うから」であってるかと思います。
>それがホットウィールクオリティ。
www
5踏みさんのお墨付きを頂きましたw
そうなるとますます製造国バリエーションを集めてみたくなりました。
>ちなみに実車だと剛性の問題があって、「ボディをぶった切ってオープンカーの完成!」というわけにはいきません。
そうなんですか!知りませんでした。
でも、言われてみたら確かにそうですね!
空気抵抗的な部分も変わってきたりしないのかな・・・。
>やんちゃな方達が乗る屋根のぶった切られたセダン
今年もありましたねw
>ベースは同じ金型だったりするのかな・・・
07年のミステリーカーのバラクーダを持っていますが、ボディとルーフは材質が違うので別パーツのようです。そしてルーフがプラスチックな事とボディパーツとウインドウが別のパーツである事から考えるに
ボディ+オープン用パーツ=オープン仕様
ボディ+ハードトップ用パーツ=ハードトップ仕様
といった感じにモデルごとに組み合わせを変えているのではないかと思われます。
マレーシア製のオープン仕様のバラクーダも家のどこかに眠っているので発見次第、また報告しますね〜。
>空気抵抗的な部分
空力はやはり変わりますね。性能以上に重要な面で。オープンカーの場合、速度が上がってくると室内では上昇気流が発生します。オープンカーは趣味性の高さやその金額面などから中高年のドライバーも多いです。なので言葉は濁しますが男性の中にもある部分が脱着式のハードトップ仕様の方もいるわけで…走行中に意図せずキャストオフする悲劇なんかも…そういったユーザーのためにも色々とメーカーは試行錯誤してるみたいです。
5踏みさん
>07年のミステリーカーのバラクーダを持っていますが、ボディとルーフは材質が違うので別パーツのようです。
そう言われてしっかりと調べてみたら・・・これ、なかなか面白い造りしてますね!!!
チャンスがあれば入手してバラしてみたいところです・・・。
>マレーシア製のオープン仕様のバラクーダも家のどこかに眠っているので発見次第、また報告しますね〜。
おお~!!お願いします!
>空力はやはり変わりますね。性能以上に重要な面で。
性能以上に重要な面・・・?ゴクリ。。。
>男性の中にもある部分が脱着式のハードトップ仕様の方もいるわけで…
そっちかい!!!!!!!www
でも確かに性能以上に重要ですね・・・せっかくのオープンカーでカッコいいのに・・・。
もしかしてホットウィールのオープンカーが人気ない理由って・・・?
>そういったユーザーのためにも色々とメーカーは試行錯誤してるみたいです。
たしかにメーカー側としては売上に直結する問題かもしれないですね・・・。
僕も最近気になるようになってきた問題なので共感できます。
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