ホットウィールの30周年記念モデルについて。フラッグシップとなったTwin Millのレビュー。
2017/12/22
先日、ついにこんなものを入手しました。
「ウッソ、当時モノのツインミル!?」
「うわ、にわかさん、ついにガチマニアになっちまったかよ!」
と、焦るのは早いです。
実はこれ、ホットウィール30周年を記念した「Authentic Commemorative Replica」というレプリカ品です。
比較的安価に売られていたので、ついつい購入してしまいました。
・・・今月はこんな感じの出費が多く、お財布がヤバめです。
30周年記念モデルとは何なのか?
そして、この30周年記念モデルが当時モノといったいどう違うのか?などなど見ていきたいと思います。
ホットウィール30周年記念モデル
1968年にデビューしたホットウィールは、1998年に30周年を迎えることになりました。
今からもう18年も前の話です。
ホットウィールは幾度ものピンチを乗り越えて、90年代後半には相当数のコレクターを抱えていました。
そんな中で30周年を記念して「過去30年間、各年の記念すべきモデルをレプリカ品として再登場させよう」ってコンセプトだった(と思われる)のが30周年記念モデルです。
当時のモデルを再現
写真のような青い箱に入れられて、当時のカードも再現された状態で発売されていたようです。
これは完全に大人のコレクター向けアイテムと言えますね。
僕らみたいな素人が見たら、このカードだけでは当時モノかどうかの区別がつかないと思います。
ちなみに1968年当時のカードがこちら。
この写真だと厳密には1969年モノだと思いますが、どうでしょう・・・かなりソックリに作られていることがわかります。
色見は経年劣化や撮影状況にもよると思うので何とも言えない部分ですが、炎の中に白抜きで書かれたHot Wheelsのロゴや、Lost RedlineことCustom Ottoのイラスト、謎の缶バッヂなどなど・・・雰囲気だけは抜群です。
細かい違いで言えば当時モノは「世界で最も早いミニカー」という煽りだったのに対し、30thは「世界で最も熱いミニカー」に代わっている点、サスペンションの説明が「エクスクルーシヴ・トーションバー・サスペンション」から「トーションバー・サスペンション」に代わっている点、カード下部の形状の違い、BY MATTELのフォントの違いなどなどでしょうか。
ちなみにマテルのロゴは当時も黒に白抜きで「MATTEL」だけというものはあったようです。
実はこの5年前にも25thモデルとして同様のカードのものが出ているのですが、完成度は圧倒的に30thの方が上ですね。
1968年~1972年あたりのカードだけでなく、たとえば1990年のパープルパッションなんかも当時のブルーカード、当時のペイントを再現していたりして、このシリーズを揃えるだけでHot Wheelsの30年を追えるような仕様になっていたのではないかと思われます。
レプリカされた30種
カードの表面が当時を再現されたものになっている反面、裏面は完全に30周年オリジナルのものになっていました。
そこにはそのモデルの説明(今回ならTWIN MILL)と、ラインナップされた30台・・・1968年~1997年までの「その年を代表する1台」がズラリと並んでいます。
year | Model name | year | Model name | year | Model name |
---|---|---|---|---|---|
1968 | Deora | 1978 | ’57 T-Bird | 1988 | Porsche 959 |
1969 | Ford Vicky | 1979 | Auburn 852 | 1989 | ’32 Ford Delivery Truck |
1970 | Nomad | 1980 | ’40’s Woodie | 1990 | Purple Passion |
1971 | Mutt Mobile | 1981 | Old Number 5 | 1991 | ’59 Caddy |
1972 | Side Kick | 1982 | Firebird Funny Car | 1992 | Goodyear Blimp |
1973 | Sweet 16 | 1983 | Shelby Cobra | 1993 | Dodge Viper RT/10 |
1974 | Rodger Dodger | 1984 | ’65 Mustang | 1994 | Riger Motor |
1975 | Large Charge | 1985 | XT-3 | 1995 | Hydroplane |
1976 | Sting Ray | 1986 | Path Beater | 1996 | VW Bus |
1977 | ’57 Chevy | 1987 | Sharkruiser | 1997 | Scorchin’ Scooter |
「30種全部、もしくは好きなのを集めようぜ!」というなんとも当たり前なコメントと共に並んだ30種は、今でも根強い人気の車種が多いことがわかりますね。
僕も何気に自分が持ってるヤツがいくつか入っていて嬉しくなりました。
1968年~1997年の間に生まれた人は、自分の生まれ年モノだけでもゲットしておきたいところですね~。
※1996年生まれの人は争奪戦かな!
で、ちょっと勘の鋭い方はすぐに気づいたかと思われますが、1969年はTwin MillではなくてFord Vickyなんですね。
えっ、じゃあ今回ゲットしたTwin Millってなんなの?って話です。
30周年記念モデルのフラッグシップモデル
後述しますが、どうやらこのTwin Millは30th Anniversaryシリーズのフラッグシップとして登場したものみたいです。
箱の中には他の30th記念モデルにはない「証明書」と「30th記念ピン」がついていました。
カードにはCertificate of Authenticity(モノホンであることの証明書)と書かれています。
オリジナル同様に細部までこだわって作られた、という説明と共に、デザイナーであるIra Gilford氏のサインが添えられていました。
さらに言うとこのTwin Millだけは他の30thレプリカと異なり、いろいろなカラーリングのものが出ていたようです。
なぜTwin Millだったのか
ではなぜ、30thを記念するフラッグシップにツインミルが選ばれたのか。
その答えはパッケージの裏面に書かれていました。
Twin Millは1969年に登場したホットウィール初の謎車。
デザイナーは前述のとおり、Ira Gilford氏です。
ホットウィールの30年の歴史においても特別なモデルだったということですね。
[参考]謎車なのに欲しくなる。Twin Millはなぜホットウィールにおいて特別な一台なのか?
30th Anniversary Twin Millのレビュー
ではそろそろ実際のモデルの方を見ていきたいと思います。
フロント・リア
今回入手したものは僕の手元に来た時点ですでに状態があまりよくないものでした。
特に塗装の剥げがかなり気になりますね。
とはいえギラついたメタリックパープルがスペクトラフレームを彷彿とさせ、レプリカと呼ぶにふさわしい仕上がりになっています。
リア部分には30thを表すタンポが入っているのが特徴ですね。
これは他の30thシリーズのモデルにも入っているので、当時モノかどうかを見分ける基準の一つにするといいかもしれません。
(とはいえ、タンポ印刷はシンナーで落とせるらしいので、悪意ある人がこれを落として「当時モノ」って偽る可能性もないとは言えませんが・・・。)
サイド
30thシリーズTwin Millの嬉しいところは、初期レッドラインを思わせるホイールを採用しているところです。
これ、厳密には初期のレッドラインホイールとは形状が違うと思いますし、後のRLC/HWCに採用されるレッドラインホイールとも違うように見えます。
というか、スポークの形状が明らかに違いますね。
なので30th専用のレッドラインホイールなのかもしれません。
でもパッと見の印象ではかなり当時モノっぽい雰囲気が出ています!
残念なことに僕がゲットしたモデルは入手した時点で車軸が曲がっていて、右前輪が浮いた状態になってしまっていました。
トップ・ベース
こうやってみると、本当に「当時モノ」みたいに見えますよね。
ただ塗装はスペクトラフレームではないわけですが。
ボディ・ベースともダイキャスト仕上げで、ベースにはなんと「VINTAGE」の刻印がありました。
これは25周年の時に発売されたVINTAGEシリーズに採用された金型を仕様しているということですね。
そのため、著作年である「1969」という数字が刻印されていますが、実際には1993年のリキャストモデルであるということになります。
謎のバッヂについて
今回のモデルには当時モノ同様に謎のバッヂが付属していたので、それも紹介します。
実はClassicsシリーズなんかにも採用されていたので、これがどんなもんかずっと気になっていたんです。
はたして、この謎のバッヂの正体は・・・!?
・・・何のことはない、アルミかなにかの薄い1枚板に凹凸と挟み込める部分を作り、表面にそのモデルのイラストが印刷してあるというものでした。
当時の子供たちはこれをどうやって使って遊んでいたんだろう・・・?
そしてマテルはどうしてほしかったんだろう・・・?
もしカバンとか洋服に留めていたのだとしたら、すぐに無くしただろうな・・・と思えるアイテムです。
おわりに
というわけで、30th Anniversaryの記念モデルとTwin Millのレビューでした。
当時モノではないので「ヴィンテージ・ホットウィール」とは言えませんが、それでももう20年近く前にリリースされたモデルと考えると、「オールド・ホットウィール」ってところかもしれませんね。
ところで「ホットウィールの30周年」と「Twin Mill」といえばもう一つエピソードがあるのをご存じでしょうか。
実はホットウィール初の謎車→実車というプロジェクトが30周年の時に企画されました。
実車化にあたっては公道を走れるように車体デザインの見直しが入っています。
そのプロジェクトは30thの折には間に合いませんでしたが、それに先駆けて1998年に「Hot Wheels Legendシリーズ」として実車化デザインと同様にヘッドライトやウィンカーランプが実装されたTwin Millが登場することになります。
これまたカッコいいんですね~・・・。
※実車化は2001年に叶ったそうです。
30周年記念モデルだけでなくいろいろなプロジェクトが動いてたんだと知ると、当時からコレクターだった方がとても羨ましく感じますね。
再来年は50周年。
30周年よりも重く、意味のある年です。
またこんな感じの楽しい記念品が出てくれないかと期待しちゃうのは僕だけではないはずです。
Comment
おお、TWIN MILL入手良かったですね!僕はまだもっていませんが、カッコイイ。僕はバッヂは、香港製のford j car (ホワイト/シール無し)を持っているのですが、それに合わせたくて同じく香港製のバッヂを500円で入手しましたよ〜ホットウィールは高いので、バッヂだけ集めているコレクターもいるらしいです。(例の店長さん情報)僕は今持っているレッドラインのコンチネンタル(黄色)、nitty gritty kitty(銅色)←これが今は一番気に入っている、57 classic bird(ブルー)の3台のバッヂを揃えたいですね。特にnitty gritty kittyは、後輪の車軸が曲がっており、さらにタイヤのメッキが全く残っておらず、内の一つはヒビが入っていますが今持っているホットウィールの中では一番のお気に入りですwボディはまずまずの状態で、シールは全部ついているのが救いですねwちなみに、にわかマニアさんのTWIN MILLにはサスペンションがついていますか?もしついているのなら、工具なんかで簡単に直せますよ〜当時物のホットウィール並びに、一部の復刻版は、車軸とサスペンションが一体なので、サスペンションの柔らかさ=車軸の硬さなんです!
あと、にわかマニアさんはそのTWIN MILLどこで入手されたんですか?
harunamさん
コメントありがとうございます!
>バッヂ
ええ!?これだけ集めている方もいらっしゃるんですか!
なかなか奥が深いですね~。
>nitty gritty kitty
これ、僕も以前コメント欄に書かれていたときからかなり気になっています。
マーキュリー・クーガーなんですよね。
車軸が曲がって、メッキが剥がれててもカッコいいものはカッコいい、ってのはわかります!
海外のコレクターは自分で修復しちゃうみたいですね。日本では「価値が落ちる」って嫌がられそうですが・・・。
>サスペンション
レビュー用に触っていた時には感じませんでしたね。
でも「トーションバー」についての記述を見るに、サスペンションがあってもおかしくないのかな・・・。
「ホットウィールはサスペンションがない」と決めつけていました。
>あと、にわかマニアさんはそのTWIN MILLどこで入手されたんですか?
これは例によって日本の某大手オークションサイトでゲットしましたよ~!
こんにちは、オークションだったんですね!ちなみに、この復刻シリーズのメタリック塗料、僕もいろいろ見てきましたが、ブリスターの中で斑に禿げやすいそうで、ヤフオクやeBayの新品を見ても、ほとんどに塗装ハゲがあります。なんででしょうね。あと、このホットウィールはにわかマニアさんがブリスターを開けたのですか?それとも元々?
ともあれ、にわかマニアさん、ガチマニアえのご改名検討なさった方が宜しいかとw五○丸選手のことを一生追い続けるとか言ってた女性たちは一体どこへ行ったのか?wそれを考えると、にわかマニアさんは一年以上ブログを更新し続け、さらにここ数カ月は毎日更新されている。もう既にガチマニアですよ!
harunamさん
>ブリスターの中で斑に禿げやすい
!!
やっぱりそうなんですか!
なんかブリスターがラメラメしてると思ってたんです。
ただ車軸に関しては、踏みつけでもしたかな・・・?って感じがしないでもないですね。
それかもともとのエラー品か。
>ブリスター
これはもともと開いてるものを購入しました!
自分で開けるのが抵抗ある人でも、もともと開いているものなら気が楽ですねw
ちなみに、販売された方がこのページを見てくれていたら、僕の個人情報は簡単に抜かれるなー・・・と。
個人売買で購入したものを記事にする時はいつも不安ですw
>ガチマニア
harunamさんのマニア具合に勝てるまでは名乗れませんw
こんばんは〜
「1969年の”Twin Mill”以来、数多くリリースされているH.Wオリジナルデザインのコンセプトカー達。実車をスケールダウンしたものこそ、正しいミニカーだと信じる、所謂”正統派”には到底受け入れ難いシロモノかもしれないが、本国アメリカでは、この手のモデル達に意外と人気があり、事実わざわざコレクター向けに特注モデルもリリースされている。筆者はミニチュアカーに携わる職業柄、アメリカや日本のマニアと沢山会う機会があるが、この手のモデルに興味を持つのは比較的ドップリH.Wに”はまっている”人達に多いようだ。(以下略)」
この文は1999年にネコ・パブリッシングから発行された「ホットウィール大図鑑」の一節です。
ホットウィールでお財布が寂しくなることといい、これはもうガチマニアへの改名も近くないですねぇ…
ボディのハゲや車軸が曲がっていたりする事を考えると子供が遊んでいたものなんですかね?でもそれにしてはやけにホイール綺麗だなぁ〜。
同年のNew York Toy FairでもTwin Millが登場していることや
http://imgur.com/708SEbl.jpg
http://imgur.com/FyM0bMN.jpg
他の架空車と比べてもカラーバリエーションが多いことからもTwin Millが特別な存在である事がよくわかりますね。
5踏みさん
こんばんは!コメントありがとうございます。
>この手のモデルに興味を持つのは比較的ドップリH.Wに”はまっている”人達に多い
笑いましたw
いや、まぁ、そうですよね。
>ガチマニアへの改名
いやいや、コメントをくれている方たちの方がガチマニア率高いじゃないですかw
恐れ多くて改名できませんw(するつもりもない)
>それにしてはやけにホイール綺麗だなぁ〜。
うわ、本当ですね。
これ、ブリスターの中で紫のラメがキンキラに散ってたんです。そういえば。
もしかすると遊び過ぎて塗装が剥げたわけじゃなくて輸送時に何かあったとかかもしれないですね・・・。
でもそれだと車軸が曲がってるのが説明つきませんねw
>New York Toy FairでもTwin Mill
うわ!これ先日の二日酔いの時の写真に写っていたヤツですね。カッコいい。
ホットウィールは本当にいろんな限定モノがあって頭が追いつきません・・・。
今更ながらこんにちは!
30thにTwinMillがあったなんて初めて知りました!
しかもバッヂと証明書入りなんて、これでもか!ってくらいの煽りっぷりがコレクター心をくすぐりますね。
私も30thは3台だけ持っていますが、SideKickは同じようにブリスターの中で剥がれ落ちた塗装が粉状になって舞ってますよ。おそらくこのスペクトラフレーム風の塗装自体の問題なのではないでしょうか?
ちなみにSideKickのカラーも、そのTwinMillと同じパープルです。
(あとの2台は’65マスタングとバイパーですが、塗装の問題はありません)
しかしながら、まだまだ知らないHWがあるもんですね!奥が深いです。
これだからHWはなかなか辞められないんですよね。良い情報ありがとうございます!
トルネオさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
>しかもバッヂと証明書入りなんて、これでもか!ってくらいの煽りっぷりがコレクター心をくすぐりますね。
そうですね~。
僕が購入したのは開封品でしたが、このまま未開封で飾っておきたくなる一品かもしれません。
>スペクトラフレーム風の塗装
ということは・・・パープルに問題あり、って感じなんですかね?
わざと「経年劣化で剥げた感」を出すための特殊塗料だったりしてw
>しかしながら、まだまだ知らないHWがあるもんですね!奥が深いです。
僕は一時期ebayやヤフオクを狂ったように見ていましたが・・・どんどん知らないのが出てきますね・・・。
しかも企業とのコラボアイテムやらコンベンションモデルやらを合わせたら、本当に膨大な量になりそうです。
そりゃ50年近い歴史があって、毎年数百台ずつ出てると思ったら当然ですが・・・マテルの社員も全部は把握してないんだろうなぁ・・・。