’58 EDSELのレビュー!マーケティング史に残る大失敗を引き起こした愛すべきフォードの中級マシン!
「ずっと欲しいと思っていたアイテム」ってあると思うんです。
どこかで見かけた、誰かに自慢された・・・などで心に残っていた一台が。
僕はそのうちの一つが2006年トレジャーハントの’59キャデラックで、これはコレクションを始める数年前に(まだ当時はお金にも相当余裕があったので)オークションにて高値で競りかったのです。
ルース品でしたけどね~。
同じぐらいの時にどんなキーワードで検索したのか忘れましたが、すっごい気になってずっとPCに画像を保存していた一台があります。
それがこちら。
’58 EDSELです。
今でもそこまで思い入れのあるマシンというわけではないんですが・・・やっぱりその時に「欲しい!」と思ってしまった感情というのは消えないものなんですよね。
※保存していた画像はHDDがぶっ壊れて消えてしまいましたが・・・
今回ついに、8年越し?ぐらいに入手することが出来ましたので、レビューさせて頂きたいと思います。
’58 エドセルのレビュー
本日紹介いたしますのは、2009年のClassics SERIES 5にラインナップされた’58 EDSELです。
僕とホットウィールの初めての出会いは2005年ぐらいだったかなと思うのですが、本格的に意識したのは2011年とか2012年とかそれぐらいだったと思います。
ちょうどアメグラか何かの映画を観た時で、50年代~60年代のアメ車が気になっていたんですね。
そんな折、ホットウィールのことを思い出して、調べて・・・っていうのを少しだけやっていました。
といっても実物は、海外旅行に行った際に現地のスーパーで2~3台買う程度。
「日本ではヴィレッジヴァンガードに売ってたなぁ」ぐらいの知識しかなく、トイザらスにすら行ったこともなかったんですよ。
なので、どんな車種があるとかも全然わからなくて、「ホットウィール アメ車」とかで調べてたんじゃないかと思いますw
そこで出会ったのが’58 EDSELでして。
当時は当然車名の調べ方もわからなかったですし、とりあえずPCに保存しておいて、たまに画像を開いては「こいつは何なんだろう」とか思ってたんです。
2015年から本格的にコレクター人生を歩み始めまして、いろんなアイテムと出会うようになり・・・ある日こいつが’58 EDSELという名前のマシンだということを知るんですね。
そこからゆるーく探すようになりまして・・・ようやく先日(そこそこ安価で)入手することが出来たというわけであります。
’58 EDSELについて
前述のとおり、僕は全くこのキャストの元モデルに対しての想い入れがなかったこともあり・・・今一生懸命「エドセルってどんな車だったのか?」を調べています。
・・・なんだこいつ、めちゃくちゃ面白いやないかい!!!!
エドセルというのはフォード・モーターが1958年に販売し、1959年末には「開発をやめよう」となったマシンだそうです。
当時のフォードにおける中級ブランド(マーキュリーの下位)として立ち上げられたもので・・・フォード史上、他に類をみないような「大失敗車」だったのだとかw
その理由は諸説あるみたいなんですが・・・端的に書くと「ダサかった」というのが挙げられるみたいですね。
フォードは当時、エドセルのために巨額の資金を「広告宣伝費」として投じており、人々は日々メディアで目にする「新型車=エドセル」に対してとても期待していました。
事実、発売日には住民の実に半数が、その新型車を一目見ようとディーラーを訪れた・・・なんて話もあるほどです。
・・・が!
それまで全くといってよいほど「どんなマシンなのか」というのを明かさずに宣伝をしていたということもみんなの期待を後押しし・・・きっと「ハードルがあがり過ぎちゃった」のではないでしょうか。
・・・全然売れなかったんだそうですw
最初にハードルを上げすぎると、期待値が高まり過ぎちゃって・・・実物が優れていたとしても「な~んだ、こんなもんか」とガッカリしてしまうっていう。
あれですよね。
「超面白い話があるんだけど~www」とか言いながら話を始めちゃう人と同じ過ちです。
結局、フォードは異常なほどの赤字を抱えたまま、エドセルの製造・開発を終了してしまい、「エドセル」が”商業的な失敗を示す言葉として”後世に残ることになってしまいました。
ちなみにエドセルというのがヘンリー・フォード氏の実子であるエドセル・フォード氏から名づけられた車名というのを聞くと・・・それが大失敗に終わったというのはなんとも居たたまれないですね。。。
・・・そんな不人気車でも、ミニカーになるとたちまち売れるんだぜ!?
ホットウィールでは2009年のClassics 5シリーズにてデビュー。
その後、諸々のシリーズでバリエーション展開をされていますが、おそらく有名なのは2013年Retro EntertainmentシリーズにおけるAmerican Graffitiのものではないでしょうか。
アメグラの主人公の妹さんが乗っていたマシン。
どうしてもアメグラっていうとジョン・ミルナーのホットロッドが注目されると思いますが、僕が惹かれたのはむしろこういう派手な外装のマシンだったんですよ。
’58インパラとかね。
ちなみに、’58エドセルは残念ながらホットウィールでもこの2013年ものを最後にリリースが止まっています。
・・・やっぱり不人気だったのかしら・・・w
では各部見ていきましょう~。
フロント・リア
悪評を獲得するのに貢献したフロントマスク・・・!
世界で最も醜いマシンとしてランキングに入ったこともあるそうです。
たしかにこれ・・・食糧人類の巨大生物みたいな顔してやがる。。。
実は僕、このキャストに惹かれた時って・・・どっちが前だかわからなかったんですよねえ。
おそらく当時のフォード・エドセル部門としては「このフロントグリル・・・斬新やろ!!惚れてまうやろ!」という想いがあったんだと思うんです。
そのため宣伝もバンバン売っていて・・・僕の邪推ですが、ちょっとしたマインドコントロール的なことをしたかったのではないでしょうか。
「今の時代の”カッコいい”って、こういうのやで」みたいな。
それが蓋を開けてみたら「ダサい・・・」と思われてしまったんですよ。
中にはこのグリルを女性器のようだと揶揄する意見もあったのだそう。
その時代に求められていないものをいくら資金をかけて「流行である」かのように見せたとしても、やっぱり人の心というのは変えられないものなのかもしれませんね。
サイド
この横顔を見るに・・・やっぱり不人気の原因はフロントマスクにあったんじゃないかなと思わせられますw
だって・・・すごく「アメリカン・ゴールデンエイジ」って感じがありますもんねえ?
キャデラックみたいなテールフィンとかもすんごいカッコいいし。
タイヤがホワイトウォールだったら尚良し、ってところだったかな!
トップ・ベース
トップビューなんかも普通にカッコいいんすよ。
やや高級車らしさが出ちゃってるのかな?
当時のフォードモーターのマーケティング的には「フォードよりも高額で、リンカーンよりも安いマシン」という中間層を狙っていたそうなんです。
でもその位置にはすでにフォード内でも「マーキュリー」が存在していたことや、顧客から見た時に「で、これは高級車なの?そうじゃないの?」っていうのが”わかりにくかった”というのも販売不振につながっていたみたいですね。
まぁ・・・ねえ。
ユーザーには「単純であること」が必要だと思うんです。
”わかりにくいもの”にはなかなかお金を出せないですから。
・・・まぁ、過去のマーケティングの失敗なんて、現代から見ればいくらでもなんとでも言えるんですけどねw
底面には著作年表記はなく、タイ製であることが記されていました。
おわりに
というわけで、’58 EDSELのレビュー・・・いかがでしたでしょうか。
個人的にはこれによって当時欲しいと思っていたアイテムが2つ揃ったのでウハウハであります。
ただ、僕にはまだまだ「あれは手に入れておきたいぜ・・・」と思うアイテムがいくつもあるので、当分は収集を辞められなさそうですな!
Comment
50年代のいかにもアメリカンドリーム!って感じの車っていいですよねぇ☺️
ホットウィールにはまってからこの辺りにも興味が出てきた次第です。
弟からもらったクライスラーの何か(名前思い出せないw)結構好きだったりしますw
エドセル、ブサ可愛いのでしょうか?
僕も欲しくなってまいりました😆
スチュードベイカーみたいな雰囲気ですね😆
さーちゃんさん
コメントありがとうございます!
僕はここからホットウィールに入っておりますので、どっちかっていうと「ホットウィールと言えば!」っていうのはこういうアメ車を思い浮かべます。
>クライスラーの何か
雑wwwww
それじゃ絶対にわからんwww
>エドセル
今僕らが見る分にはかなりカワイイですよねえ。
当時不人気だったというのがすごくもったいなく感じるw
>スチュードベイカーみたいな
ああ~なんかわかるかもw
こんにちは!毎度のブログお疲れ様です!
これなかなかかっこいいですね!初めて見た車ですが好きです(笑)
顔面も特徴的でバンパー形状とかローロングな感じとか結構好みです!まだまだ知らないアメ車があってホットウィール飽きませんね(*^^*)
テッコーマンさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
おお~!当時の人たちに「将来は『好き』って言う人が増えるぞ!」と教えてあげたいw
たしかにバンパーもカッコいいっすよねえ!
問題はやっぱりあのグリルだったかな・・・w
こんにちは
’59キャデラックかっこいいですね〜
レギュラー版のは持ってるんですが・・・クッソー
’58 EDSELは知りませんでしたが、おもしろい形のフロントフェイスですねぇ。
確かに一度見たら気になるかも。
僕にはなんとなくバルタン星人の顔にも見えてしまいました^^;
この次代のアメ車のデザインって洗練とは真逆の全然合理的じゃないところがいいですね。
ちなみにバルタン星人をデザインした成田亨は彫刻家でもあり、ウルトラマンやウルトラセブンのデザインも手掛けていて造形的には高く評価されています。
バルタン星人のデザインは不本意だったそうですがw
>あれは手に入れておきたいぜ・・・
僕もいっぱいありますw
PCに画像を保存するともうダメですねぇ。
チラチラ見るたびにどんどん気になっていくというw
入手したアイテムや欲しい物リストを画像で管理しているので、それを見ながらヤフオクやメルカリをチェックするのがもはや手癖のようになってしまっております。
ホットウィールは懐が深いですね〜
shubeeさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
この’59 CADILLACは僕も惚れこんでしまったアイテムです。
未だに全ホットウィールの中で一番カッコいいんじゃないかと思ってますw
エドセル、気になりますよねえ?
といっても僕は当初「どっちが前なん??」ってのが気になっただけだったりするんですが・・・
でも今見てもサイドビューの三角窓とか震えます。
>バルタン
たしかに「フォッフォッフォッ・・・」って言いそうなw
あれ不本意だったんですか!?それがあんなに人気に・・・
>PCに画像
ね~・・・気になるからついつい保存しておくんですけど、それが買いたい欲求を刺激してしまうという悪循環ww
お疲れ様です。
たしかにwww
「卑猥」な揶揄もありました。
馬蹄グリルが、
レモンをかじったオールズモビルとも・・
しかし、冷静に見たら、
ブガッティだって、似てませんか?
・・でも、エドセルのは
「失敗」ですねwww
しかし、そのミニチュアとは、
マニアックです!
ウィーラーの端くれさん
コメントありがとうございます!
レモンをかじったオールズっていうのも面白かったですね~。
酸っぱい口してたんだろうなぁw
>ブガッティ
たしかにそうなんですよね!同じく馬蹄ですし・・・。
やっぱりほら、時代が変わると人の捉え方も変わるわけで・・・。
お疲れ様でふ
あまりにも時代の先を行き過ぎると叩かれたりするけど、これは、、
クセが強えぇんじゃ!!(ノブ)
ネットで実車の写真見たけど、実車はもっとパンチあるね!
だが嫌いじゃない👍
コ○リコの田中さんみたいに見えるけどw
しかしながら、念願のゲットおめです!
KKはね、ダイオウグソクムシみたいな形した「ロケットオイル」をいっぱい集めたいです!
そして、7個集めて神龍呼び出して「ジャパンを一夫多妻制にしておくれーっ!」って言うんだ♪ヽ(´▽`)/
最近はこんな感じです
ロードランナーK.K.さん
コメントありがとうございます!
顔のクセがすごかったですかねw
僕はむしろ実車はまだカッコ良かったと思うんですよ!
ホットウィールの方はよりブサメンになってる気がw
ココ〇コの田中さん!?
ちょっと待ってくださいよ!
>ロケットオイル
あれ、めちゃくちゃ高額なんだもん。。。テガデナイヨ
>最近はこんな感じです
どんな感じですかwwwwwwww
更新お疲れ様です。全体で俺アメ車だぜ!って主張してるスタイリングは良い。 ただフロントのデザインですよね。便器やら卑猥な表現やら解説動画や記事で色々言われてて笑っちゃう。 なんかステアリングにボタン式のシフトが有るとか?色々面白い迷車だなぁ。
雷電さん
コメントありがとうございます!
おそらくはすべてがフロントのデザインにやられたのかなとw
あとは・・・なんかスタイリング的に革新的なものがなかったという噂も。
便器なんて言われてんすかww
今見たらカッコいいし、なんだったら中古車で探したいぐらいなんですけどねえ~。
>ボタン式のシフト
ほほー・・・面白そう。
上手く切り替えられるんかいな・・・
エドセルは、フロントグリルが女性の陰部を連想させる…ということで大バッシング浴びたそうです。
そういえばそうかもだけど、そういう発想する方が悪いんだと思う。
販売前にハードル上げたクルマといえば、S13アートフォースシルビアですね。
銀座に巨大なタマゴが登場して、テレビでちょっとずつスタイルをチラ見させて(^^)
発表したら「なぁーんだ。。」ってなるんだと思ったら、「かっこいい!」って。
当時は、白いクルマしか売れなかった時にライトグリーンメタリックのボディーカラーがチョー新鮮でした。
Ks Qs Js という、トランプをもじったグレード名も新鮮。
OpのHIDヘッドライトもカッコ良かった!
(^^)
唯一ダサかったのがリヤスポイラーかな?
(^^i)
元々、S13はホンダのプレリュードのボツになったデザインがベースになっていて、
テールランプの意匠が後に出たインテグラとそっくり過ぎでホンダが慌てて修正したとかなんとかいう都市伝説?が当時のカー雑誌に載ってましたね。
…イイ時代です。
ちなみに、現行のGTRのコンセプトカーをデザインした人も、元ホンダのデザイナーらしいですよ(^^)…本当ですかね?
B太さん
コメントありがとうございます!
女性の陰部っていうのは「叩くためにあえてそう見た」って感じですよね。
でもま、、女性の陰部だから悪いってわけじゃないと思うんですがw
>S13アートフォースシルビア
ほほー・・・こっちはハードル上げで成功したパターンですか!!!
エドセルが余計不憫に思えてきたw
>ホンダのプレリュードのボツになったデザインがベースに
えっ・・・おもしろ!
他社のデザインですよね・・・?
あ、デザイン事務所が同じだったとか??
おはようございます!
私ゃ、こっちの方が気になって仕方ないのですが、、、
>2006年トレジャーハントの’59キャデラック
以前からちょくちょく背景等に出てきていて
おっ!となっていました
ホワイトリボンのタイヤに、テールの造形
まさに、古き良きアメリカン!
super cubさん
おはようございます!コメントありがとうございます。
このキャデラックはもう、本当に惚れこみまくったミニカーですね~。
いつかはがっつり紹介したいと思いつつ、ちょいちょい小出しにしか出来てないっていう。
このフレイムスとボディカラーもまたいいんですよ。
古き良きアメリカン!
お疲れ様です~
車に歴史ありと言うか、なかなか面白い背景のある車なんですねぇ
栄光の影には失敗もある、という感じでしょうか
にわかさんのブログ読んでると、こういう歴史も学べるのが個人的にツボですw
フロントはバルタン星人のような蝉のような、何とも言えないご尊顔ですねw
息子の名前つけた車の顔が女性器呼ばわりされたらキッツいなぁw
>その時代に求められていないもの
唐突にこういう深い言葉が出てくるから油断ならないぜw
「カッコイイとは、こういう事さ」とやろうとしたら失敗しちゃったてことなのかな
まあ、にわかさんが仰る通り、後からなら何とでも言えますよね
当時のフォードは頭悩ませて生み出したんだろうし、せめてホットウィールになった今は愛してあげたいわw
まるまるさん
コメントありがとうございます!
栄光の影にある失敗・・・面白いです。
なんか人生も失敗した人ほど成功できるんじゃないか?なんて思ったり。
ブログを楽しんで頂けてるのは本当に嬉しいです!!!!!!!
(僕も調べながら書いてるので間違ってる部分があるかもだけども!^^;)
>息子の名前つけた車の顔が女性器呼ばわりされたら
ですよねえwwwほんとに。
ちなみに当時はむしろエドセル氏の子供にあたるヘンリー・フォード二世?が社長だったそうで。
つまりは「親父の名前つけたら女性器って言われた」って感じみたいw
>「カッコイイとは、こういう事さ」とやろうとしたら失敗しちゃった
そうそうw
iPhoneとかはもうバッチリあの時代(2010年ぐらい)に合ってたと思うんですよ。
なのでそこまで宣伝しなくても多くの人が「欲しい!」ってなったんじゃないかなと。
でもほんと、僕らは歴史を学んで後出しジャンケンしてるだけなのでw
大失敗に終わったとはいえ、こういうチャレンジをした当時のフォード・エドセルチームをリスペクトしたいですね!
※これがあったおかげで救われた後輩チームもあっただろうしw