なんとなくしか知らない「マッスルカー」とは?
2020/04/11
ホットウィールでは2005年から「MUSCLE MANIA」というセグメントシリーズがスタートしています。
2005年に第一弾、以降2008年から毎年続く人気のセグメントで、2016年のベーシックカーにも10台ラインナップされていました。
マッスルマニアがどういうセグメントかというと、その名の通り「マッスルカー」を集めたもの。
「じゃあマッスルカーってなに?」っていうのが、今回の記事です。
マッスルカーの定義
マッスルカーはWikipediaによると
Muscle car is an American term used to refer to a variety of high-performance automobiles.
「高性能な車やで!」
ってことみたいです。
また、メリアンウェブスターという辞書には
any of a group of American-made 2-door or 4-door sports cars with powerful engines designed for high-performance driving.
「パワフルなエンジンで高性能な、アメリカ製の2ドアまたは4ドアのスポーツカー」
と説明されていました。
ですが、いろいろな文献を見ていると「マッスルカーには明確な定義はない」というのが一般的みたいですね。
あえて言うなら「マッスルカーとは、60年代~70年代のアメ車(またはオージー車)で、2ドアまたは4ドアのセダン(4~6人乗り自動車)、大型の車に高性能なエンジンを積んだ大排気量なヤツ」ってことになるようです。
そういえば「日本人は定義する事が好きだけど、向こうの人はあまり好まない(というか気にしない)」というような話を昔、知人から聞きました。
たとえば日本人は「どこまでがジャズでどこまでがブルースか」とか、「ロックでラップを入れたら”ミクスチャー”だ」とか、そういうのを決めたがりますよね。
でも海外にはミクスチャーってジャンルはない、とかっていうのはそういう背景が関係しているんだとか。
※そういえば一時期「グルメバーガーとは」って定義している本のおかげで、「牛肉を使っていないハンバーガーはグルメバーガーじゃない」みたいな風潮が一部のバーガーマニアの間で当たり前のようになってしまったことがあり、僕はなんだか悲しかったのを思い出しますw
・・・話がそれました。
とにかく、60~70年代の大型乗用車っていうのが”なんとなく”のマッスルカーの認識ということになります。
アメリカンフルサイズとは
大型車というと、「フルサイズ」を思い浮かべますが、ことマッスルカーにおいてはフルサイズである必要はなさそうです。
というのも、現にミドルサイズのマッスルカーというのが多く存在しているため。
さらに言うと、アメリカンフルサイズというのも明確な定義はなく「その当時の最大級なサイズの車」を意味するんだとか。
そのため、アメリカで自動車の大型化が進んだ1970年のフルサイズと1990年代のフルサイズでは全然大きさが違うみたいですね。
ちなみに1970年代ごろのアメリカンフルサイズと呼ばれる車は、ホイールベースが120インチ(3メートル強)以上あったんだそう。
軽自動車の全長が3.4mなのを考えると相当大きいことがわかります。
※ホイールベースは前輪車軸と後輪車軸の間の長さのこと
大きすぎてもダメ?高すぎてもダメ?
「マッスルカーか、マッスルカーではないのか?」といった議論では、逆にあまり大きすぎる車だと「マッスルカーではない」と定義されてしまうものもあるみたいです。
また、マッスルカーは「ファミリーカーを大きくして高性能にしたもの」みたいな位置づけともされていて、あまりに高額な車種も「高いからマッスルカーじゃないよ」とする声もあります。
なかなか感覚的で難しいですが、そういうもんなんだと思うことにしましょうw
ポニーカーとの違い
そこで気になるのはFord マスタングやChevrolet カマロに代表される「ポニーカー」の存在。
これらは厳密にいうと、マッスルカーには定義されないという意見もありました。
これはもともとFord社がマスタングを売り出した際に「若者向けの安価なスポーツカー」として売り出した事に起因しているんだそう。
・・・安すぎてもダメなのかな?w
ただし、SSやZ28だけはマッスルカーだとする意見や、そもそもポニーカーはマッスルカーの1つとする意見もあり・・・難しいところです。
ことホットウィールにおいてはマスタングもカマロもマッスルマニアでお馴染みですけどね。
ホットウィールにおけるマッスルカー
最後に、2005年から2016年まで、ホットウィールで「マッスルマニア」に登場したマッスルカーをまとめてみました。
前述の通り、マスタングもカマロも入っているという点だけでなく、2010年代のマッスルカーもラインナップされているのは面白いですね。
あとはやっぱり日本車や欧州車は相手にされておらず、すべてアメリカのビッグスリーでまとまっていたのも面白いです。
マッスルマニアセグメントにはホットウィールオリジナルモデルも存在しており、記事執筆時点までに3種ほど登場していますね。
とくにMuscle Toneは一見実車かと思うデザインで良い感じです。
他にもCountry Club Muscle、Torque Twister、GT-03というモデルも、マッスルマニアシリーズには登場していないものの、ホットウィールオリジナルモデルのマッスルカーとして存在しています。
Company | Modelname |
---|---|
Ford | ’63 T-Bird |
Ford Thunderbolt | |
1968 Mercury Cougar | |
’69 Mercury Cougar Eliminator | |
’67 Shelby GT-500 | |
’68 Shelby GT500 | |
Shelby Cobra 427 S/C | |
’65 Mustang Fastback | |
’67 Ford Mustang Coupe | |
’69 Ford Mustang | |
’70 Ford Mustang Mach 1 | |
2010 Ford Mustang GT | |
2015 Ford Mustang GT | |
’66 Ford Fairlane GT | |
’77 Ford Fairlane GT | |
’69 Ford Torino Talladega | |
’72 Ford Gran Torino Sport | |
’73 Ford Falcon XB | |
Custom ’64 Galaxie | |
Crysler | ’68 Plymouth Barracuda Formula S |
’68 Hemi Barracuda | |
’71 Hemi Cuda | |
’70 Plymouth Road Runner | |
’70 Plymouth AAR Cuda | |
’70 Plymouth Superbird | |
’71 Plymouth GTX | |
’67 Dodge Charger | |
’69 Dodge Charger | |
’69 Dodge Charger Daytona | |
’71 Dodge Charger | |
’74 Brazillian Dodge Charger | |
’15 Dodge Charger SRT | |
’71 Dodge Challenger | |
’08 Dodge Challenger SRT8 | |
Dodge Challenger Concept | |
’15 Dodge Challenger SRT | |
’69 Dodge Coronet Super Bee | |
AMC Javelin AMX | |
GM | ’67 Pontiac GTO |
’69 Pontiac GTO | |
’70 Pontiac GTO | |
’70 Pontiac GTO Judge | |
’67 Pontiac Firebird 400 | |
’69 Pontiac Firebird T/A | |
’73 Pontiac Firebird | |
IROC Firebird | |
Olds 442 W-30 | |
’67 Oldsmobile 442 | |
’68 Olds 442 | |
Olds 442 | |
’64 Riviera | |
’70 Buick GSX | |
’65 Chevy Impala | |
’64 Chevy Nova Station Wagon | |
’66 Chevy Nova | |
’68 Chevy Nova | |
’68 Chevy El Camino | |
’71 El Camino | |
’62 Chevy Bel Air Bubble Top | |
Camaro Z28 | |
Blown Camaro | |
’67 Camaro | |
’68 COPO Camaro | |
’69 Camaro | |
’70 Camaro Road Race | |
2013 Hot Wheels Chevy Camaro Special Edition | |
2016 Chevy Camaro SS | |
’64 Chevy Chevelle SS | |
’67 Chevelle SS 396 | |
’69 Chevelle SS 396 | |
’70 Chevelle SS | |
’70 Monte Carlo | |
’86 Monte Carlo SS | |
’76 Greenwood Corvette | |
’14 Corvette Stingray | |
’63 Chevy II | |
HW Original | Muscle Tone |
D-Muscle | |
Muscle Speeder |
追記
Muscle Maniaセグメントに登場していないだけで、マッスルカーの元祖と言われる’64 PONTIAC GTOなんかもホットウィールではキャスト化されていました。
そう思うとまだまだありそうですね。
Comment
こんにちはどうも。古いエントリですがサイトマップの目次からすぐに開ける記事だったのでコメントさせて頂きますね。
「マッスルカーとは」とのことですが、まず普段口頭で使われる「マッスルカー」と、厳密な意味でのそれとでは微妙に意味が変わってきますよね。これは別にこの言葉に限った事ではなく、にわかさんも仰っている様に音楽のジャンルみたいなもので、「あれは○○だ」「いや○○だ」といった議論もしばしば繰り広げられるものです。
誕生の経緯に定義を求めるのであれば「インターミディエートの車体にフルサイズのビッグブロックを積んだハイパフォーマンスカー」がマッスルカーと言えます。アメリカの自動車メーカーは自動車のサイズ毎に小中大、サブコンパクト、インターミディエート、フルサイズといった今で言うセグメントを設定していましたが、それまでフルサイズにしか積まれなかったビッグブロックを中型車に搭載して性能向上やレースシーンでの活躍も含めたイメージリーダーとして設定されました(エンジンのサイズを「ブロック」と称するのはアメリカがヤードポンド法故排気量を立法インチで表していた為です)。
この辺は丁度プリンススカイラインにグロリアの6気筒エンジンを載せたスカイラインGTと同様の手法ですね。まあよくあるアイデアですが。
とはいえ実際こんなルーツに適合した車をだけをマッスルカーと呼ぶような人はほとんど居ません。マスタングやカマロの様な小柄な車もマッスルカーの範疇に入ります。それは当然前述した大きな車体を持つマッスルカー達と同様それらの車もモデルチェンジと共に次第に大きく重くなっていき、それぞれの差異が薄れていったというのもありますが、、
これは本当に音楽のジャンル分けみたいな話で、「これは○○だ」というのは実際その手の音楽をよく聴いてる人にしか判断できないことだと思います。よく知らない人から見れば全て同じに見えても、よく知っている人であればほとんど全てがすぐに「あ、○○だ」と理解出来る。そういう感覚の世界なので
samegameさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
>古いエントリですがサイトマップの目次からすぐに開ける記事だったのでコメントさせて頂きますね。
大歓迎です!!
>「マッスルカーとは」とのことですが、まず普段口頭で使われる「マッスルカー」と、厳密な意味でのそれとでは微妙に意味が変わってきますよね。
そうなってくるとなかなか難しいですね~。
世の中にはいろいろそういうものがありますよね。
便宜上、こう括った方がわかりやすい、みたいなところから来ているのか、スマホとファブレットの違いなんかも曖昧ですし・・・本当にその業界をよく知っている人と知らない人の間では「同じ言葉なのに違うものを指す」ということが普通にありそうな感じなんですね。
>それまでフルサイズにしか積まれなかったビッグブロックを中型車に搭載して性能向上やレースシーンでの活躍も含めたイメージリーダーとして設定されました
もし厳密に「マッスルカーとは」を語るのなら、こういうことなんですね。
なんとなく「マッスル」という意味に合いそうな感じがします。
>よく知らない人から見れば全て同じに見えても、よく知っている人であればほとんど全てがすぐに「あ、○○だ」と理解出来る。そういう感覚の世界なので
はい。僕も妻に買ってきたホットウィールを見せても「全部同じ」と言われてしまう・・・これと同じような感覚ということですねw
ってことは、ホットウィールにおいても「マッスルマニア」にラインナップされている時点でホットウィール側は「マッスルカーだよね」と言っているわけで、それを見て僕らが「マッスルカーだね」と思えばマッスルカーだし、そうじゃないと思えばそうじゃない、みたいなレベルということなんですかね。
知っている人からしたら「これのどこがマッスルカーなんだよ」って憤りたくなるものもあるかもしれない・・・と。