ホットウィールのベース(シャーシ)の種類(メタル・プラスチック)とカラー、刻印内容について
ホットウィールは、ボディパーツ、ウィンドウパーツ、インテリアパーツ、タイヤパーツ、そしてベースの5つで構成されています。
ベースはシャーシとも呼ばれる土台のパーツの事。
このベース一つとっても、プラスチック製とメタル製の2種類が用意されていたり、
製造年、コピーライトの年数なんかが読み取れて面白いです。
ベースの素材
例えばこの2台のシェルビーコブラ。
右の白いモデルはウィンドウパーツを息子にポッキリやられてしまいましたが、
一応同じモデルです。
ベースを見ると明らかに素材が違うのがわかりますね。
左がクロームメッキ、右がメタル素材です。
クロームメッキは、プラスチックの素材にメッキ加工がしてあるものを指します。
メタルの方が車体の重量が断然重くなりますので、コーストラックでのスピードもだいぶ違うのではないでしょうか。
個別に見てみると、
メタルの方はこんな感じ。
そしてプラスチックがこんな感じ。
ベースのデザイン・刻印
メタルベースの方は、ボディを繋いでおく”かしめ”が一箇所で、「MATTEL INC 1982 THAILAND」と刻印があります。
このClassic Cobraがデビューしたのが1983年なので、その前年の1982年にコピーライトがあるということ。
タイで作られたモデルであることがわかります。
対してプラベースの方は”かしめ”が2箇所。
そして「1186 MJ, 1, NL」と「made in Malaysia」が刻印されています。
1186 MJ, 1, NLはマテルヨーロッパの住所のこと。
このあたりについては後述します。
そしてマレーシアで作られたモデルであることがわかります。
近年のモデルは基本的にマレーシア製ですね。
ちなみにどちらも前述の通り1983年デビューのモデルですが、
メタルベースのモデルの方は2000年の、プラの方は2011年のClassic Cobraです。
古いモデルがメタル?
2000年がメタルで2011年がプラと聞くと、
「ああ、古いモデルがメタルベースで、経費削減の為に新しいヤツはプラなんでしょ」
と思うかもしれません。
でも、そんなこともなく、Classic Cobraで言えばプラベースが出たあとの年にメタルベースが出ているなんてことも起きています。
それに、2016年のTURBINE TIME(2015年のNew Models)、
これも、手に取った瞬間重いと思ったら・・・
案の定メタルベースでした。
なので、新しいとか古いとかの関係でもないみたいです。
さらに言えば、スーパートレジャーハントでも、コレクティブルモデルでもプラスチックベースが使われていたりするので、その車のグレードというわけでもなさそう。
メタルだから良いというわけではないですが、重厚感が感じられるので好きだという人も少なくないかもしれません。
ただメタルベースの場合は輸送時にコストが高くなるのがネックです。
ベースの色
通常、メタルベースの場合はUnpainted、つまり何も塗られていない状態が多いです。
まれに塗られているメタルもあります。
比べてプラスチックベースは、上述の通りクロームメッキで銀色だったり、
こんな感じの金色メッキの事もあります。
金メッキはキラッキラでカッコイイですw
当然プラスチックのUnpaintedもあり、その場合は成型するプラスチックの色がそのまま使われている感じ。
ベースカラーも込みで、そのホットウィールのデザインを作っていると言えるので、
カラーリングも非常に重要だったりしますね。
1186 MJ, 1, NL について
近年のホットウィールはベースに「1186 MJ, 1, NL」という謎の暗号が刻印されています。
これが何を表すかというと、ホットウィールの台紙の裏を見たら載っていました。
並び順が違ったり、色々省略されてるじゃないかと思うかもしれませんが、
1186やMJ、Nederland(≒NL)からこれに間違いありませんw
マテルの公式サイトにも記載がありましたが、どうやらマテルヨーロッパのアドレスっぽいですね。
実は2011年あたりに、ホットウィールは全車種のベース金型を刷新しているんだとか。
その背景にあるのは、中国産のおもちゃから鉛が検出されてマテルが自主回収したという2007年の一件だそう。
この金型刷新以降のモデルにはほぼ必ず「1186 MJ, 1, NL」の刻印が入っているというわけです。
ベースコード
ベースにはこの他に、アルファベットと数字で表されたベースコードが刻印(または印刷)されています。
例えばこのSHARK BITEだったら「J07」がそうです。
これは2008年にスタートしたもので、アルファベットが製造年、数字が製造週を表しています。
アルファベット | 製造年 |
---|---|
A | 2008 |
B | 2009 |
C | 2010 |
D | 2011 |
E | 2012 |
F | 2013 |
G | 2014 |
H | 2015 |
J | 2016 |
※例によって「I」が飛ばされています。おそらく2021年も「O」ではなく「P」。
つまり、J07だったら2016年の第7週に製造されたということを意味するわけです。
第7週というと、2/7~2/13ですね。
つまり、この5月に日本にやってきたSHARK BITEは2月初旬に製造されていた事を示すわけです。
当然、同じモデルでも違う時期に製造されたものは違う刻印がされています。
たとえばこの2台のF-150。
片方はUS版、片方はWW版なんですが、どちらも基本的には同じクルマです。
写真の写りが悪すぎますが、上がUS版。H41と刻印。
下がWW版。H32と刻印されています。
それぞれ2015年の41週(10/4~10/10)、32週(8/2~8/8)に製造された物だということです。
おわりに
ちょっとまとまりにかけた記事になってしまいましたが、
ホットウィールのベースについての色々でした。
全く同じ金型で素材や色が違う、というものを持っていないので、
その辺りの物が入手できたらまた追記したいと思います。
Comment
ホットウィールのベース(シャーシ)の種類(メタル・プラスチック)とカラー、刻印内容について 、とてもわかり易い考察で、勉強になりました。
TURBINE TIME・・・あれは、BODYもダイキャストならもっといいなと思いますネ・・・手に取ったときの重量感って、ミニカーにとって結構重要な要素だと個人的には思っております。HWは、同じモデルでもコスト削減のためか、途中で設計を頻繁に変更したりだとか、部品点数を減らしたり(トラックとかのモデルで、3軸を2軸に変更)だとか、戦車モデルで、ミサイルが発射できたものが発射できなくなったりとか、ここ最近のモデルを見ると、それを強く感じます。トミカとは、違って・・・。
メタルベースだと輸送時のコストが高くなると書かれてましたが、やはりコスト管理は、厳しいのかな・・・?
水戸さん
コメントありがとうございます!
コメント通知がなぜか来なくて・・・見逃してました、、、遅くなってすみません。
>TURBINE TIME・・・あれは、BODYもダイキャストならもっといいなと思いますネ・・・手に取ったときの重量感って、ミニカーにとって結構重要な要素だと個人的には思っております。
なるほど、たしかに!
特にTURBINE TIMEはアメリカの大型トラックをイメージさせますから、ズッシリしてて欲しいなと思いました。
だからベースだけでも重くしたのかな・・・。
>HWは、同じモデルでもコスト削減のためか、途中で設計を頻繁に変更したりだとか、部品点数を減らしたり
そうなんですね。
新たに設計しなおしたり金型を作り直す方がコストがかかるんじゃないかと素人目では考えてしまいますが、
世界各地で売られているHWだからこそ、そうしてでも一つずつのコストが下がるのが大幅な利益に繋がるのかな。
でも、安価だからこその魅力と言うのもありますし、なんとも言えないところですw