始まりがあれば、終わりもある。ホットウィールのFinal Run Seriesまとめ
2017/07/17
ホットウィールにはその金型の終わりを表す「FINAL RUN」というシリーズがありました。
何事も始まりがあれば終わりもあります。
コレクター人生だってそうです。
[参考]ホットウィール収集の終わりと、長くファンを続けるためにできること
僕がホットウィールを知った頃にはWikipediaか何かでFINAL RUNシリーズについて説明されていて「そのモデルがそれ以降発売されない」とか「最後を飾るために少し豪華なモデルとして出る」というものだったと記憶しています。
そんなFINAL RUNシリーズについてまとめてみました。
ファイナルランシリーズとは
FINAL RUNシリーズは前述の通り、その金型の終焉を意味しています。
このシリーズで登場した車種は以降の年度にて発売されることがない・・・つまりこれが最終走(FINAL RUN)なわけです。
ただし、これはマテルのマーケティング的な戦略としての”FINAL RUN”であり、実際にはこのシリーズに登場せずともリリースされなくなる車種が多いというのが現実で、FINAL RUNシリーズ自体も2005年を最後にFINAL RUNしています。(ややこしい)
また、中にはFINAL RUNしながらも翌年にリリースされている車種があるなど、なんともホットウィールらしいシリーズであると言えます。
FINAL RUNシリーズ各年度の特徴
FINAL RUNシリーズ自体は1999年にスタートしました。
この年には実際に「少し豪華な仕様」としてラインナップされるのですが、後年のFINAL RUNはベーシックカーの1セグメント的な、特に豪華でもなんでもないものになっています。
各年度の特徴は以下。
車種
数 |
パッケージ | ホイール | 他 | |
---|---|---|---|---|
1999 | 12 | 30thアニバーサリーのような大型ケース | ノーマル又はリアルライダー | |
2000 | 0 | |||
2001 | 12 | RLCモデルのようなプロテクター | ノーマル又はリアルライダー | |
2002 | 3 | RLCモデルのようなプロテクター | ノーマル又はリアルライダー | ※本来は12種ラインナップ予定だった |
2003 | 12 | 特徴なし | ノーマル | バリエーションがあるモデルも |
2004 | 5 | 特徴なし | ノーマル | バリエーションがあるモデルも |
2005 | 5 | 特徴なし | ノーマル |
1999年にスタートしたFinal Runシリーズはさっそく2000年にはお休みします。
2001年に復帰し、2002年まではリアルライダーが採用されることもある豪華な仕様でした。
2002年は12台がラインナップされる予定も、実際にリリースされたのは3台で、残りの9台は2003年にまわされています。
2003年~2005年はパッケージも通常のブリスターで、ホイールも全車ノーマル。
特に2005年はキャタピラー系のホイール無しモデルが3つもあるという・・・普通の車が好きな人からするとマジで誰得なシリーズになっていたと言えます。
ちなみに、どの車種もFINAL RUNというレター、またはFRと書かれたロゴがボディないしタイヤに書かれていたようです。
※2005年のモデルには無いものもあった模様w
以下、各年度ごとに一覧にまとめました。
1999年のFINAL RUN
1999年のFINAL RUNは前年の30th Anniversaryの時に使われたような大型の外箱がパッケージに採用されていました。
[参考]ホットウィールの30周年記念モデルについて。フラッグシップとなったTwin Millのレビュー。
ラインナップされたモデルとホイールタイプは以下。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
21339 | 1/12 | Range Rover | OR DDRRGY |
21340 | 2/12 | Mercedes 380 SEL | PC6 |
21341 | 3/12 | Kenworth T-600A (Big Rig) | Final Run 7SP |
21342 | 4/12 | Street Beast | WL DDRR |
21343 | 5/12 | Street Roader | Final Run ORSB |
21344 | 6/12 | Stutz Blackhawk | WL DDRR |
21345 | 7/12 | Pontiac Salsa | PC6 |
21346 | 8/12 | ’93 Camaro | Final Run RRtu |
21347 | 9/12 | Mercedes 540K | PC6 |
21348 | 10/12 | Custom Corvette | PC6 |
21349 | 11/12 | Tank Truck | DDRR |
21350 | 12/12 | Alien | DDRR |
12車種中6車種がリアルライダー、3種が「Final Run」のレタリングが施されたタイヤとなっています。
リアルライダーでない車種もPC6という若干手の込んだノーマルホイールが使われていて、「有終の美」を飾るに値する豪華なシリーズであったと言えます。
ちなみに、Custom Corvetteは1999年にFinal Runしたにも関わらず2000年にもリリースされていたそうですw
2001年のFINAL RUN
2000年はFINAL RUNシリーズは存在せず、2001年には縦長のプロテクトパッケージで復活します。
ちょうどトイザらスのキャンペーンで貰えるCollector Editionのプロテクターみたいなヤツですね。
ラインナップは以下。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
26992 | 1/12 | Mercedes-Benz Unimog | Final Run SB |
26993 | 2/12 | ’55 Chevy | Final Run DDRR |
26994 | 3/12 | Gulch Stepper | Final Run ORSB |
26995 | 4/12 | Ramp Truck | DDRR |
26996 | 5/12 | GM Ultralite | DDRR |
26997 | 6/12 | Porsche 911 | PC5 |
26998 | 7/12 | Hot Wheels 500 | DDRRGY |
26999 | 8/12 | Recycling Truck | DDRR |
27000 | 9/12 | Radar Ranger | WL ORSB |
27001 | 10/12 | BMW 850i | PC5 |
27002 | 11/12 | XT-3 | PR5 / MC1 |
27003 | 12/12 | Skullrider | PR5 |
リアルライダーが5種、Final Runのレター入りが3種、PC6の代わりにPC5・・・と、若干1999年に比べると劣る(?)ものの、まだまだ特別感のあるシリーズですね。
ただ、もう普通にPR5のものとかがあって、シリーズ内での格差が激しい気がします。
2002年のFINAL RUN
2002年は2001年とよく似たプロテクターが採用されていました。
左上の角が四角いのが特徴ですね。
この年のFinal Runシリーズは12車種がラインナップされる予定で、パッケージ裏にもその車種がしっかりと記載されていましたが、実際にリリースされたのは3種のみだったそうです。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
55811 | 1/12 | Porsche 928 | PC5 |
Ford Bronco | |||
Ambulance | |||
Bywayman | |||
55815 | 5/12 | Oshkosh Cement Mixer (Spin Out) | Super Tumbler Cement Mixer DDRR |
55816 | 6/12 | Firebird Funny Car | DDRRGY |
Rig Wrecker | |||
Lamborghini Diablo | |||
’31 Doozie(Duesenberg Model J 1931) | |||
Mustang GT 1996 | |||
Dodge Charger Daytona 1970 | |||
Twang Thang |
リリースされた3種はリアルライダー2種とPC5が1つ。
翌年以降にパッケージも簡素化された事を考えると、コスト的な面できつかったのかもしれませんね。
2003年のFINAL RUN
2003年にはついにパッケージが簡素化されます。
パッケージ形状は通常のベーシックカーと同じになり、ホイールも全車種ノーマルという仕様になりました。
こうなると本当に単なる1セグメントですね。
また、パッケージには「METAL COLLECTION」という文字が書かれていましたが、特にMETAL x METALというわけでもなかった模様。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
57122 | 1/12 | Rig Wrecker | Y5 |
57131 | 2/12 | Ambulance | 5SP |
57141 | 3/12 | Mustang GT 1996 | PR5 |
57144 | 4/12 | 1970 Dodge Charger Daytona | 5SP |
57152 | 5/12 | Twang Thang | PR5 |
57159 | 6/12 | Bronco 4-Wheeler | OR5SP |
57166 | 7/12 | Bywayman | SB |
57173 | 8/12 | ’31 Doozie | 5SP |
57180 | 9/12 | Lamborghini Diablo | PR5 |
57187 | 10/12 | Porsche Carrera | 5SP |
57188 | 11/12 | Auburn 852 | Y5 |
57189 | 12/12 | GM Lean Machine | PR5 |
特筆すべき点としては、Rig Wreckerのドアに2002と書かれたものが存在するらしいところです。
要するに2002年にリリースすべく印刷まで終わっていたものの、予算の都合上リリースできなかったモデルをそのまま使いまわしたということではないでしょうか。
ちゃんと2003と書かれたものもあるそうです。(未確認ですが)
また、Bywaymanに関してはインテリアとベースのカラーが違うモデルも存在しているらしいのですが、こちらも見つけられませんでした。
他の年度と異なり、TOY#に統一性がないのもこの年の特徴ですね。
2004年のFINAL RUN
2004年も2003年と同様、特に豪華なモデルというわけではありませんでした。
そのうえ、セグメントの車種数も12種から5種に減らされています。
ラインナップはこちら。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
B3854 | 1/5 | Hot Seat | 5SP |
B3855 | 2/5 | Racebait 308 (Ferrari 308) | PR5 |
B3856 | 3/5 | Semi-Fast | 5SP |
B3857 | 4/5 | Cat-A-Pult | 3SP CM5 |
B3858 | 5/5 | Mini Truck (Sonic Special) | 10SP |
Cat-A-Pultのみ3SPとCM5でバリエーション展開がありましたが、基本的にはベーシックカーで使われているホイールが採用された全然豪華じゃないFinal Runとなっています。
Hot Seatだけはブルーのクロームでちょっとカッコ良かったかなw
2005年のFINAL RUN
Final Runシリーズ自体のFinal Runとなった2005年も前年と同様5種。
ただし、5種中3種が「Not Wheels」・・・つまり、タイヤがないモデルでした。
TOY# | seg # | Model Name | Wheels |
---|---|---|---|
G6798 | 1/5 | Thomassima 3 | 5SP |
G6799 | 2/5 | Treadator | – |
G6800 | 3/5 | Buick Wildcat | 10SP |
G6801 | 4/5 | Hydroplane (Hydrojet) | – |
G6802 | 5/5 | Big Chill | – |
こうなってくると、本当にただ単純に「人気がないモデルの金型を処分するから、最後に出しとくか・・・」みたいな感じに見えてしまいますね・・・。
おわりに
というわけで、FINAL RUNシリーズのまとめでした。
冒頭で書いたとおり、実際にはここにあがってきていない車もこっそりとFinal Runしてるヤツらばっかりです。
「あれー、しばらく見ないなー・・・」なんて思ったら20年以上リリースされてない、なんてことがザラですからね・・・。
逆に言えば「FINAL RUN」と銘打ってもらえたこの37種は、ちゃんと終わらせて貰えたという意味でマテルに愛されているモデルだったのかもしれません。
FINAL RUNシリーズは今でもリサイクル店などでたまに出てきますので、見かけた際には終わってしまった彼らの歴史に思いを馳せてみてください。
Comment
こんにちは!
Hot Wheelsの「Final Run」、しみじみ・・・。
まさに終焉を飾るモデル。
GREENLIGHTには、新金型を祝う「First Cut」という、
無塗装モデルがあります。錆びそう・・・。
poncha2016さん
こんにちは!コメントありがとうございます。
ほんと、しみじみしちゃいますよね。
一説によるとFinal Runした車種はすべてのツールを破棄してしまうとのことです。
・・・なぜそこまでしなければならなかったのか・・・w
GLは新金型がFirst Cutで無塗装なんですね。
・・・さすがに無塗装と言ってもZAMACのようにクリアかかってたりしないんですかね・・・???