スペクトラフレームとは?ホットウィール初期のキャンディペイントについて
2020/04/11
スペクトラフレームはホットウィール初期に用いられていたキャンディカラーの総称です。
ダイキャストボディにメッキコーティングを施し、そこに色とりどりなクリアカラーを重ねることでまるで宝石のような輝きが表現されていました。
当時の子供達も「他のミニカーにはないギンギラ具合」って事でホットウィールを差別化させていたのだとか。
そんなスペクトラフレームカラーは諸々の都合によって1972年を最後に終了します。
その後も市販モデルで「スペクトラフレーム」と銘打ったアイテムが登場するのですが、厳密には初期スペクトラフレームとは別物だったりするのです。
そんなスペクトラフレームの歴史や新旧の違いについてまとめました。
スペクトラフレームの歴史
スペクトラフレームと一口に言っても、年代によって違いがあるようです。
ここでは時期を4つに分けて説明させて頂きます。
1st Edition
ホットウィールは1968年に最初の16台が発売されました。
これをSweet 16(またはOriginal 16)と呼びます。
この16台にはギラギラしたキャンディカラーが採用されていて、マテルはこれらのボディカラーを「スペクトラフレーム」と命名。
当初の色味は14色(または12色)で、レッドから始まりピンクまで、まさに虹の光彩のようなカラーリングが楽しめました。
※当時は工場ごとの、または生産時期ごとのばらつきが多く、結果的に細分化すると40色近くにまで分類できたそうです。
このように美しく楽しいスペクトラフレームでしたが、コスト削減や体への影響などを理由に、1972年にはその歴史に幕を閉じることになります。
これが初期スペクトラフレームの終了時期で、その後はエナメルカラーにタンポという現在まで続くレギュラーシリーズの塗装法が採用されることになったのです。
2nd Edition
その後、30年弱の時を経て、ホットウィールはスペクトラフレームを復活させることになります。
2000年代初頭にはコレクター向け商品としてリリースされたHWC限定のシリーズ「Neo Classics」においてスペクトラフレームが採用されました。
ただし、当時のような「メッキ+クリアカラー」というキャンディではなく、ハンドメイドで磨かれたZAMACボディにキャンディペイントを施したものだったようです。
そのためかなりお上品というか・・・ものすごく高級なミニカーという仕上がりになっていますね。
この流れは2020年現在までも続いています。
HWC ORIGINAL 16 CUSTOM ELDORADOのレビュー!まるで宝石のような輝きのレプリカレッドライン![FNC25]
3rd Edition
2005年から5年に渡って続いたサイドライン「Classicsシリーズ」にもスペクトラフレームが採用されました。
これが近年において容易に入手できる最後のスペクトラフレームアイテムでしたね。(記事執筆時点)
HWC版と同様に、ZAMACの上にクリア塗装が施されている感じのキャンディカラーです。
ただ、ZAMACの磨きがやや甘く・・・より初期スペクトラフレームに近い印象。
4th Edition
メインラインでは2007年からスタートしたスーパートレジャーハントシリーズにもスペクトラフレームが採用されました。
もしかしたらClassicsに採用されていたものと同じ技術かもしれませんが、一応時期が違うのでわけておきます。
なんとなくですけど、Classicsのものよりもややしっとりしているカラーな気がするんですよね~・・・。
もしかしたらカラーバリエーションの違いによるのかもしれません。
※メインライン版のスペクトラフレームには「スペクトラフレームブラック」や「スペクトラフレームホワイト」なるカラーも使われています。
また、同時期に展開されているCollector Editionも、2011年からはスーパートレジャーハントと似たようなスペクトラフレームが採用されるようになりました。
その他のスペクトラ塗装
ホットウィールにはそのほかにもスペクトラフレームを意識した塗装のアイテムがありますので併せて紹介します。
Spectra Flame II
2002年にメインラインで登場した「スペクトラフレームIIセグメント」。
こちらは実験的にスペクトラフレームを復活させようとしていた様子が伺えます。
Spectra Flame 2シリーズのMUSCLE TONEをレビュー!古くて新しい印象のHWオリジナルマッスルカー!
ただしこれ・・・スペクトラフレームには程遠いと言うか、単なるキャンディ塗装(メタルフレーク)アイテムでした。
おそらく本当はもっとスペクトラフレームにしたかったんでしょうけど、コストが許さなかったのかもしれませんね~。
当時のカタログにはもっとスペクトラフレームっぽいアイテムとして紹介されてたんですよ・・・。
これが採用されていたらなぁ。。。
SpectraFrost
2013年に登場したCool Classicsシリーズでも新しい試みが行われています。
こちらは厳密にはスペクトラフレームではなく、「近代版スペクトラフレーム」とでも言うべき「スペクトラフロスト」という表現が用いられました。
スペクトラフレームがその名の通り「光彩の”炎”」だとしたら、スペクトラフロストは”霜”ですね。
確かに同じくギンギラギンではあるけれど、どことなくクールな印象があります。
スペクトラフロスト塗装の詳細はわかりませんが・・・もしキャンディペイントなのであればシルバーペイントの上にクリアーカラーを吹いたら再現できそうな感じ。
それか普通のキャンディにつや消し塗料を吹いてサテンっぽくしたらこんなカラーリングかな・・・?
そういうわけでスペクトラフレームではないのですが、これはこれでカッコいい表現方法だと言えます。もっとやれ。
Cool Classicsシリーズについて。スペクトラフロスト×レトロスロットの魅力と’84 Hurst Oldsのレビュー。
スペクトラフレームではないキャンディ塗装
ホットウィールのメインラインには「スペクトラフレームではないキャンディペイント」のアイテムも存在しています。
これがねえ・・・なんとも紛らわしいわけですよ。w
いわゆる「メタルフレーク」と呼ばれるアイテムがそれで、シルバーラメの下地にクリア塗料でキャンディ仕上げにしてるんですね。
※もしくはクリア塗料にラメを混ぜてるのかもしれません。
ギンギラで深みがある・・・という意味ではスペクトラフレームみたいなものなんですが、やっぱり並べちゃうと全然別物なんだよなぁ。
余談ですが、1993年および1998年に発売されたアニバーサリーモデルも遠目だと一見「スペクトラフレームかなぁ・・・?」と思わせられましたが・・・違いましたw
おわりに
というわけで、スペクトラフレームの歴史および各世代での違いなど・・・でした。
現在では基本的に上でいうところの「2nd Edition」または「4th Edition」・・・つまり高額なHWCアイテムか、スーパートレジャーハントまたはコレクターエディションでしか拝むことができないので、なんとも輝いて見えてしまいますね。
※そうでなくとも輝いているのだけれど。
ちなみに・・・僕はスペクトラフレームをなんとか再現したいと思っていて、手持ちのホットウィールをドナーに何度となくチャレンジさせて頂いたことがあります。
最初はこんな感じで・・・ボディを磨いてクリアスプレーというのを試したのですが、なかなかうまくいきませんでした。
・・・が!
チャレンジをしているうちに、なんとか「Classics」のスペクトラぐらいなら再現できるようになってきましたよ~。
やり方はこちらを参考にしてみてください!
Comment
過日、スペクトラフロストのHot Wheels Cool Classics ’70 FORD MUSTANG MACH 1 を何故かゲットしました。(普通にベーシックカーに混ざっており・・・売れ残りですかね?)ゴールドカラーが実に映えます。これは・・・いい色だ・・・。
一方、スペクトラフレームにも興味大となりましたw。ですが、安価にゲットはきっと難しいのでしょうねぇ。
エイブさん
コメントありがとうございます!
Cool Classicsが今時入手できるのもなかなか珍しいですね!
僕もフロストはゴールドカラーのみ所有しているので、出来ればブルーやグリーンのものが欲しいところです。
>安価にゲットはきっと難しいのでしょうねぇ。
どうでしょう・・・Classicsシリーズで良ければ、ヤフオクで300円前後から出品されてます。
定形外なら送料入れても500円しないでスペクトラフレームがゲットできますね。
あとはこちらにコメントをよく頂いているユウサンさんの地元にある個人店でも780円でClassicsがあったそうですし、僕の実家の近所のドンキでも480円で未だに(2016年12月現在)売られていました!
なので、販売されている場所に出会えたら、(あと車種にこだわらなければw)安価に入手も可能だと思いますよ~