Historyチャンネル「アメリカンミニカー”ホットウィール”」を観たので概要と感想を書くよ!
2019/04/20
先日、HISTORYチャンネルで放映されたホットウィール特集・・・みなさん観ることはできましたでしょうか?
僕も半ば諦めていたのですが、有志の方のおかげでタナボタ的に観ることができました!
感想はというと・・・めちゃくちゃ面白かったです。
・・・で、僕がそれを見て「面白かったー」ってだけだとなんだかアレなので、概要と感想をまとめさせて頂きました。
※2019年4月20日追記
YoutubeのHistoryチャンネルで普通に全編観れるようになってたで!!
HISTORYチャンネル アメリカンミニカー”ホットウィール”の概要と感想
番組の大まかな内容は「ホットウィールはどうやって生まれたのか?どう成長してきたのか?」という部分と、「50周年を迎えた今、どんなチャレンジをしているのか?」という部分で成り立っていました。
僕らコレクターもよく知るHWデザイナーさんたちが出てきて語ってくれるので、ファンなら観ていてニヤニヤしてしまったのではないかと思われます。
特に印象に残っていた部分をピックアップして概要と感想を書かせてもらいますね!
ホットウィールはどうやって生まれたのか?
ホットウィールという商品が生まれた背景には、バービー人形の成功があったそうです。
当時マテルの共同創業者であるエリオット・ハンドラー氏の奥様が発案したバービー人形が売れに売れ、社内では誰も奥様に頭が上がらない状態でした。
そこで「車輪が回って、ちゃんと走れるミニカーがあったらよくね?」と、男の子向けの商品としてホットウィールが生み出されることになったのです。
その頃のミニカーって飾るためのものであって、走らせるためのものじゃなかったんですね。
エリオット氏はそこに目を付けて、ピアノ線のアクスルを用いた「速く走らせられるミニカー」の開発に乗り出しました。
そうして生まれたのがホットウィールです。
当時のコピーが「fastest metal cars in the world(世界一速いミニカー)」だったというのも伊達じゃないんですね~。
CUSTOM FLEETSIDEの功績
ホットウィールという名前は、エリオット氏が当時のHWデザイナーであるHarry Bradley氏の所有するエルカミーノなどを見て
Those are some hot wheels!
訳:ななななんてカッコええ車なんやあぁぁぁ・・・!!
と叫んだことに由来する・・・というのは有名な話のようですが、実はここに至るまでにはエリオット氏とハリー氏の間で衝突がありました。
エリオット氏は「玩具として売るためのミニカーデザイナー」としてGMでデザイナーをしていたハリー氏をマテルに呼び寄せたわけです。
今となってはその真意を知ることはできませんが、おそらくは街中を走っているような「普通の車」を3インチに落とし込んだもので勝負したかったんでしょう。
ですが、ハリー氏がデザインしたミニカーというのは(初期モデルの数々を知っている方からすればわかるとおり)・・・なんとも奇抜なアイテムばかり。
要はファクトリーストックでない「CUSTOM 〇〇」となるモデルや、ドリームカーなどだったのです。
「これはどちらかが辞めなければ収拾がつかない」というような状態にまで二人の仲は険悪になってしまいました。
・・・が!!
そんなエリオット氏が駐車場に停めてあったハリー氏のエルカミーノを見た時に「なにこれ、すっげーカッコいいじゃん!!!」ってなっちゃったわけですね。
ボンネットから飛び出たエンジンの一部、やや前方に傾斜した車体、そして赤いラインが引かれたタイヤとマグホイール・・・その瞬間にエリオット氏も童心に戻ってしまったのでしょう。
「こんなカッコいい車がミニカーになるなら、そりゃ欲しいわ・・・」っていうエリオット氏の心の声が時空を超えて聞こえました。いま。
結果的にそれがホットウィールの礎となる「カリフォルニアスタイル」として定着したわけです。
※ちなみに、ハリー氏が所有していたそのエルカミーノは、ホットウィール最初の16台=ORIGINAL 16のうちのひとつ、CUSTOM FLEETSIDEとしてしっかりとキャスティングされました。(上の写真)
ミスターホットウィールが守ったブランド
その後、ハリー氏はすぐに退職し、その友人であったIra Gilford氏がデザイナーとして参画。
TWIN MILLなどの後世に語られるモデルをたくさん残してくれました。
そんなアイラ氏もすぐに辞めてしまって・・・以降はミスターホットウィールことLarry Wood御大の時代が来ます。
Larry Wood氏は退職された今でもなおホットウィールのデザインに関わっており・・・実に50年近くもホットウィールを生み出し続けているデザイナーさんです。
まさに生ける伝説・・・!
実は氏が主に一人でホットウィールを開発していた1970年代~1980年代にはホットウィールが売れない暗黒時代というのがありました。
ホットウィールが売れないというよりは・・・オイルショックとかガス規制とかの影響で車業界全体が大ダメージを受けていた時代です。
そのとき会社からは「ガス規制に合わせたミニカーを作ってくれ」という要請がLarry氏に来ていました。
・・・が、ラリー氏は一旦「了解」と告げると、ごっついエンジンを搭載した奇抜なミニカーを作ってしまったんだとかw
果たしてホットウィールは厳しい時代にも退屈なミニカーを作るのではなく、常に挑戦し続けるブランドへと成長していったわけなのです。
20年目に売れ始めた理由
そして迎えた90年代・・・ホットウィールは突如、爆発的なヒットを飛ばすようになりました。
Larry Wood氏の代表作でもあるPURPLE PASSIONが街中の玩具屋さんから消えたというのはあまりに有名なお話ですよね。
なぜ20年目にして急に売れ始めたのか・・・それはマテルの開発チームでも疑問だったようです。
・・・が、番組でLarry Wood氏は「20年前に買っていた子供たちが親になって、自分用と子供用を買うようになったから」と語っており、僕もそれが正しいのではないかと思います。
僕ら日本人のアラフォー世代ぐらいにしてみたら、まさにビックリマンシールがそれなんですよ。
20周年~30周年ぐらいの時にプチヒットしたのを覚えています。
要はそこまでブランドのイメージを損なうことなく、大人が観ても「カッコいい・・・!」と感じるミニカーを作り続けていたからこそ起きた現象だったんでしょうね。
番組内でLarry氏が語っていた「(子供が買っているのを大人が)見ていたら欲しくなる」っていうのはめちゃくちゃ共感できましたw
以降その流れが二世代、三世代と続き・・・現在では「世界一売れているミニカー」になったというわけです。
50年目の記念ミニカー
番組構成のもう一つの柱となっていたのは「現在のホットウィール」の部分。
特にHW50の開発秘話が中心となっていました。
HW50は言うまでもなくHot Wheels 50th Anniversaryを祝うモデルです。
そのため、数名のデザイナーから100案近くが出され、デザインが決定しました。
※番組ではMark Jones氏を中心に、Jun Imai氏、Dmitriy Shakhmatov氏がその企画に参戦する様子が描かれていました。
「ホットウィール50周年にふさわしい車」ということで、クラシカルでもあり、未来的でもある・・・まさにホットウィールらしさを詰め込んだマシンとして開発されたそうです。
ちなみにこれ・・・当初発表された時には「HW50」という名前で、プロトタイプも同名だったのに、製品化された時には「HW50 CONCEPT」が正式名称になっていたのを覚えていますでしょうか。
いや、なんだったら商品化されたものでも初期ロットでは「HW50」って名前で売り出されていたっぽいんですよね。
なぜ後から慌てて「CONCEPT」という表記が追加されたのか。
その答えも番組中で触れられていたので紹介します。
まだ完成していなかったHW50
実は商品化されたHW50・・・もとい、HW50 CONCEPT・・・これで完成形ではないのです。
というのも、ホットウィール50周年の企画として「HW50の実車化」がビシモト・エンジニアリングに依頼されていることに関係しています。
Join me,and the team, for tomorrow’s @fuelfest event in Angel Stadium in Anaheim. I well be bring it a special project, with a nice new twist. See you there….rain or shine! pic.twitter.com/BEvhdde3oT
— BISIMOTO (@bisimoto) 2019年3月1日
HW50の実車化はビシ氏の手によって2018年秋のSEMAに向けて開発が進んでいました。
・・・が、調べてみても2018年のSEMAに出たのってLegends Tourのマシンばかりでしたよね。
実は開発の途中段階で「いやこれ・・・実際に乗ろうとしたらドライバーの頭がルーフを貫通するやん」みたいな問題が発生しており、その辺の調整で間に合わなかったんじゃないかと思われます。
この調整というのが「安易にルーフ高を延長する」というものではなく、かつデザインを大幅に変更することなく整合性の取れたHW50にしていく・・・というもので、既に出来ているミニカーのHW50にも少し手が加えられるそうなんです。
そういうところを含めたうえでの「HW50 CONCEPT」という名前だったのかなと。
ちなみにこのヒストリーチャンネルの番組がUSで放映されたのが2018年8月。
2018年のSEMA SHOWが10月末。
でもってHW50 CONCEPTが市場に出回り始めたのが・・・2018年のQアソなので、最速情報で2018年の8月ぐらいでした。
この頃にはSEMAに間に合う算段だったんでしょうねえ。
完成形のHW50に出会える日が楽しみです。
・・・っていうかこの番組を観る前に「観たらHW50が欲しくなるよ」と言われていたのですが・・・僕はなぜか今さらビシモト・オデッセイが欲しくなっちゃいましたよ!!!
これね。
どこかで安価に入手できないものか・・・w
おわりに
というわけで・・・HISTORYチャンネルのホットウィール特集を見た感想および概要についてでした。
いやー、本当に面白かったです。
本当に向こうではおじいちゃんコレクターさんもたくさんいて、「これはもはや文化だ!」とか「ファンにとっては玩具以上の存在だ」とか言っているのを観ることができて・・・「なんだかいいなぁ」と思ったりw
どうやらこの番組、3月にも再放送されたようなんですよね。
僕はこれ、マテルはもっと宣伝すべきだと思ってます。
・・・っていうか、どこかで上映会をやるべきだよこんなの!
やっぱり僕がまとめた内容だとある程度のバイアスがかかっちゃってるでしょうし。
実際に観たほうが「うわ謎車欲しい」ってなると思いますしw
何かのイベントとかで流せないんですかねえ・・・?HISTORYの版権的にダメなのかな。
地上波でもニッチ過ぎてダメだろうし。。。ううむw
どうにかホットウィールファン全員に観てもらえたらいいなぁ・・・!
追記
最後になりましたが、、、番組を観させていただいたFTEさんには感謝感激雨あられ。
もう、頂いたルースカーたちの紹介を差し置いて番組の感想を先に書いちゃったのは申し訳ないとしか言えない。
Comment
呼んだ?
いよいよか?
(絶賛ペグ暖め中のレイルロッダーより※空耳)
FTEさん
コメントありがとうございます!
いや、呼んでないw
すんませんwww
(写真だけ撮影して、息子のコレクションケースに入ってしまったなんて言えない)
管理人お久しぶりです。もう今月始めに見てたんだなあと、早いよなあと思いました、この番組。ちゃんと契約していた方は、2月頃が放送していたので、たぶん今さらとは思うでしょうが、この3月も無料放送でやったんですが、HISTORYお得意のドタキャンするんじゃないかと正直、ヒヤヒヤ冷やしながらやっぱりやってくれたー!と心底感謝しています。内容は既に管理人さんがおっしゃった次第。何も付け加える事はありません。
虎鉄さん
コメントありがとうございます!
本当にねえ・・・時の経つのは早いもので。。。
これ、HISTORYだけでおさまっているのがすごく勿体なくって・・・。
といってもHISTORYの番組だから仕方ないんですけどw
できれば民放でもやってもらいたいぐらいなんですが、やっぱり需要ないですよねえ^^;
全然見ていませんがこんばんは。
コレを見て、架空車も好きになる人が多くなったのかなぁ・・・
らちぇっとれんちさん
こんばんは!コメントありがとうございます。
ウェブとかでも簡単に観られるようになったらいいんですけどね。
たとえば1番組200円とかで・・・ダメか^^;
ちなみにこれを観る層はガチのコレクターだと思うので、既に架空車も好きな人たちである模様・・・。
以前フリーペーパーの時に初めてコメントした者です。
今回コメントのタイミング遅くてすいません^^
どうしてもこの番組の情報提供のお礼を言いたくて!
私はケーブルテレビ契約してますが、
にわかマニアさんの情報が無かったら気が付かなかったと思います。
重ね重ね有難うございます^^
海外の番組作りはテンポが速いというか、かゆい所に手が届かないと言うか、
あっそこ!てなところが速くて見れなくて、、毎度のご愛嬌ですがね(笑)
昔のコマーシャルとか日本でもやってたような?どうか覚えてませんが、、。
当時の雰囲気を味わえて懐かしかったです~
貴重な情報発信これからも宜しくお願いします^^
サーフクレート大好きさん
コメントありがとうございます!
タイミングは全然気にしないでください。いつでも見てますんでw
この番組の情報に関しては、日本での放映は僕も全く存じていませんでした。
公式もアナウンスしなかったですもんね。
なのでSNSで教えていただいて・・・って感じだったので、完全なる情報の横流しだったりw
元の発信者様に感謝感謝^^
さてさて番組の内容ですが、50年の歴史を1時間ぐらいにまとめると考えたらどうしてもダイジェストになってしまうのは仕方ないですね^^;
なのである程度の知識を持ち合わせたコレクター向けだなぁ・・・というのが観ていて感じた部分です。
昔のコマーシャル・・・日本でもやってたんですかねえ~!?
子供の頃にあんなの見てたらやっぱり「欲しい!」ってなっただろうなぁ。
>貴重な情報発信
ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです。
これからも貴重な情報1割、しょうもないこと9割ぐらいの割合で頑張っていきたいですw