SHADOW Mk IIaのレビュー!Can-Amレース参戦車からキャスト化された黒いヤツ[21072]
2019/12/18
今日もまた、ちょっと古いアイテムの紹介ですよ~。
1999年のメインラインにラインナップされた、SHADOW Mk IIaです。
あんまり古いアイテムを紹介しても「手に入らないヤツを教えられてもなぁ・・・」と思われるかもしれません。
でもホットウィールのメインラインアイテムって、90年代ぐらいまでのヤツなら意外とリサ店とかフリマアプリとかで見つけられるもんなんですよね。
では僕がこれをどうやってゲットしたのかというと・・・
コメント欄でお世話になっているパッスンさんから、だいぶ以前に送ってもらったアイテムの中に入っていた一台でした。
いやー・・・最近は頂き物ばっかり紹介してて・・・。
ほんと、みなさまに助けられてます!!!
・・・というわけで!
謎のマシン、SHADOW Mk IIaのレビューに行ってみましょう!
シャドウ マークツーのレビュー
本日紹介するのはこちら。
1999年ファーストエディションのSHADOW Mk IIaです。
今から20年前近くのアイテムではありますが、この頃には日本への正規輸入も始まっていたはずなので、もしかしたら日本での流通量も多かったアイテムかもしれません。
そうなるとリサ店等でも見つけやすいですよね。
・・・それにしてもこのパッケージデザインの車、めちゃカッコいいなぁ・・・。
さてさてこのSHADOW Mk IIa。
謎車みたいに見えるだろ・・・?
実在したレースカーなんだぜ・・・これで・・・。
実はこのアイテムを送ってくれたパッスンさんという方はレース界に造詣の深い方でして・・・「これのレビューをどう書いてくれるか興味津々」という文章が添えられていたわけですよ。
ぐぬぬ・・・これはつまり素人レビュアーの僕に対する挑戦状というわけですな!
当然僕は知らないアイテムだったので昨晩あれこれ検索しまくりましたw
SHADOW Mk IIaについて
SHADOW Mk IIaは1971年にCan-Amシリーズに投入された実在するレーシングマシンです。
Can-Amというのはカナダおよびアメリカで行われていたレーシングカー選手権。
カナダとアメリカなのでカナディアン・アメリカン・チャレンジカップ=カンナムと呼ばれていたそう。(Wikipediaより)
このシリーズなんですが「二座席、オープントップのプロトタイプレーシングカー」で「2,500cc以上ならエンジン排気量の規制なし」・・・!という参戦規定(分類としてはグループ7)で、当時のアメリカでもかなり人気が高かったんだそうです。
※人気だけでなく賞金総額も高かったらしい・・・。
素人発想だと、「排気量の規制がないなら一番大きなエンジン積んだヤツが強いんじゃね!?」って考えがちですが、そういうわけでもなかったんでしょうね。
カンナム自体は1966年にスタートしていますが、ドン・ニコルズ率いるシャドウレーシングがAVSシャドウとして参戦したのは1970年のことでした。
1970年当時には空気抵抗を減らすために車高を低く、車輪を小さくした奇抜なマシン(しばしば「遊園地のゴーカートにV8エンジンを積んだもの」と言われる)である「SHADOW Mk.1」でシリーズに参戦するも惨敗におわり、翌1971年に投入されたのがこのSHADOW Mk.2だったのです。
当時のカンナムレースはポルシェやマクラーレンが圧倒的に強く、結果的にSHADOW Mk.2およびMk.3も特にレースに名を残すようなことはありませんでした。
・・・が、排ガス規制の煽りを受けて1974年にポルシェ・マクラーレンの両ワークスチームがカンナムから撤退することで、ついにSHADOW DN4aがシリーズ優勝を達成します。
といっても1974年のレースは半分以上が行われなかったり、その年でカンナムレース自体が一旦終了するなどしているので・・・なんとも微妙な感じの歴史を持つマシンと言えるでしょうw
さてさて・・・ここまでの話から考えると、とっても奇抜だったMk.1や初優勝に輝いたDN4aがホットウィール化されるなら納得です。
ですが、なぜかキャスト化されたのは特に活躍もしていない(とはいえ最高3位)というMK.2。
いったいなぜこの車種が選ばれたんでしょうね・・・??
デザイナーのPhil Riehlman氏が単純に好きな車だった・・・とかじゃないだろうしw
ホットウィールとしてのデビューは前述の通り1999年。
その後も細々とバリエーション展開をしていたようですが、2009年を最後にリリースは止まっているようです。
ちなみに当時のカンナムで活躍していた車としてはMcLAREN M6Aが1960年代のホットウィールとして発売されています。
あとはLOLA GT70やPORSCHE 917なんかも出てますが、オープンカーではないのでこのシリーズのアイテムではないですね。
そういう状況でなぜこのMk.2だけが、しかも1999年にキャスティングされたのか・・・非常に気になります。(だれかおしえて)
では各部みていきましょう~。
フロント・リア
SHADOW Mk.2は初代に比べるとデザインがかなりレースカー然としたと言われています。
たしかに後年のPORSCHE 962とかMAZDA 787のようなプロトタイプレーシングカーに続くようなフォルムに見えなくもない・・・かな。
いや・・・うーん、僕としてはまだまだこれ「ゴーカート」っぽいんですがw
フロントの樹脂製パーツがこのマシンの「ノーズウィング」だそうで・・・これまた斬新な設計だったそうです。
・・・思いっきりウェルドラインが入ってますね・・・。
実車だとその両サイド部分に「UOP」「101」というロゴが入っているはずなんですが、UOPは当時のスポンサー名だからか再現されていませんでした。
・・・こりゃスーパーシルエットが出る時にはトミカロゴの採用無しだな!(あたりまえ)
サイド
ボディサイドはなんだか武骨な印象があっていいですね~。
これは1971年当時の実車を再現したカラーなのですが、翌年以降のバリエーションはもっとカラフルになっており、より謎車感が増していて面白いです。
いずれチャンスがあったら入手してみたいところ。
タンポ印刷も実車のものをよく真似てます。
カラーリングや貼り付け位置こそ違えど、ほぼ実車と同じなんじゃないかなぁ・・・。
なかなか芸が細かいです。
トップ・ベース
ボディトップからは並列二座の座席後方にシェビーのV8エンジンが搭載されていることがなんとなく見えてきますね。
このマシン、当時1,000馬力ぐらい出たとかいう噂もありました。
それでもポルシェなんかに全然勝てなかったっていうんだから、排気量とか馬力だけではレースって計れないもんなんですね~。
フラットな底面には「SHADOW Mk IIa」の車名と、1999年の著作年、マレーシア製であることが記されていました。
ここまで普通にスルーしてきましたが、Mk.2とMk IIaとの違いはよくわかっていません。
おわりに
というわけで、SHADOW Mk IIaのレビューでした!
最初は「自分が好きで買ったわけじゃないモデルだと筆が進まないな~」なんて感じていたんですが、いざ調べ出すとめちゃくちゃ面白い歴史を持っているマシンで・・・とても勉強になりました。
排気量の規定がないとか聞くと、なんか重量無差別級みたいな印象でワクワクしますしね。
あと、シャドウチームの創設者であるニコるんについても調べてみるとかなり面白いのでオススメ。
日本のレースシーンにおいても影の立役者だったようですし・・・まさにシャドウと言わざるを得ない・・・!!
Comment
トヨタ7レースカーとか日産R38~の時代ですよね。
今でこそ技術の進化で空気抵抗をうまく活用した流線型レースカーが主流ですが、全体的に四角かったり妙な丸みがあったりするのも時代を感じて好きです。
南紀の鉄砲玉さん
コメントありがとうございます!
そのどちらも存じませんでしたが・・・調べてみたら「グループ7」とのことなので、その時代なんでしょうね。
>今でこそ技術の進化で空気抵抗をうまく活用した流線型レースカーが主流
結局はここにたどり着くまでにいろいろ試行錯誤した結果がレースカーの歴史そのものだったりするわけですよね。
しかも「ただ速ければいい」というわけではなく、いかに市販モデルに近づけるか・・・みたいなのも自動車の場合は考慮されるべきなんでしょうし・・・面白いです。
こんにちは。
このたまーにある、小憎らしい
デカールの再現度の高さがタマランですなあ。
poncha2016さん
こんにちは!コメントありがとうございます。
ほんとほんと・・・小憎らしいw
やっぱり00年付近のアイテムってお金かかってたんでしょうかね~。
なんとまあ、こんな情報解禁日直前の「はざま」にまたビミョーな車種をもってきましたね。いやどうも、忘れずレビューしていただいてありがとうございますなんですけどもね。
本来なら提供主でもあり無理難題を振った張本人でもあるわたしがいの一番にコメントすべきところ、誠に申し訳ないです。そして案の定、コメント激少。。。仕方ないですね、こんなクルマに個人的思い入れがあるHWユーザーなんてそうそういないでしょうし、そこまでのレースマニアは普通、HW集めてませんし。
でもとってもステキで意義深い、そして間違いの少ない立派なレビューでした(なんか上から目線ですみません)。実はまさに今夏、シャドウ創業者のドン・ニコルズが逝きました(わかっててこの時期のレビューなんでしょと思っておこう)。おっしゃるとおりドンニコ、実は駐留米兵だったとか外貨持ち出し禁止時代に日米メーカーとレース界で暗躍した闇ブローカーだったとか、いろんな噂や逸話が残っています。そういう「シャドー」な部分がいっそう魅力的に映りますね。
「南紀の鉄砲玉」さんが救世主のようなコメントをしてくれていますが、ほんと、カンナム車というかグループ7車が3インチでモデル化されること自体が稀少です。マーケットと時代が限られるせいか、1/43ミニカー界でも立体化される例は本当に少ないので、HWでこれは60年代のシャパラルに並ぶ奇跡です。
それにしても「なんでMk2なんじゃ?」という疑問は素直に共感します。Mk2aなんていう呼び名も知りません。デザイナーのこだわりなのか、なんかオトナの事情があったのか知りませんけど、個人的には「黒いレーシングカーの一発目」だからじゃないのかなと邪推。99年頃のHWとしては真逆の立ち位置のような気がして、そこが新鮮だったんじゃないのかなあ。「マクラーレンでもポルシェでもローラでもないヤーツ、それも勝ってない方をモデル化しちゃうオレw」的な狙いかもですね。そういうお年頃だったんじゃないかと。
サイドのリベット痕や実在ブランドのロゴなどHWに似つかわしくない実車再現度と2台目カラバリ以降のぶっ飛び度などで、自分はめちゃんこ好きなキャストなんですけど、もう10年近くご隠居みたいで残念。うっかり50th軍団に爽やかなブルーで入ってきても良かったのに(ない)。
それにしても「レビュー依頼品送りつけ」は結構にわかさんをジワジワと苦しめているような感じですね、反省してます。「ネタが集まってきて書けそうなヤツから記事化しよう」としているのかと思いきや、意外にも書くモデルをこれと決めてから調べられるんですね。なにげに足枷になっていたかと存じます。今後は自重しますけど、また溜まってきたら相談します(笑)。
ねーレイルロッダーとドッグファイターのレビュー、まだー!?(爆)
パッスンさん
コメントありがとうございます!
お待ちしてましたw
やっぱり「グループ7?シラネ」「1999年のホットウィール?ゲットできねー」って感じですかねえ?w
>間違いの少ない
!?
間違いがあったらご指摘頂けると幸いです・・・!
>外貨持ち出し禁止時代に日米メーカーとレース界で暗躍した闇ブローカーだった
面白いですね~。
いい意味で今とはやっぱり時代が違うんだろうなと思わせられます。(車体的にも)
>1/43ミニカー界でも立体化される例は本当に少ない
そうなんですか・・・!!!
そう思うと本当に、なぜこれがリリースされたのか、そしてなぜMk2だったのか・・・気になりますね~。
でもパッスンさんの「そういうお年頃」っていうのが一番しっくりくるかもw
やっぱりホットウィールって時代の先端であり続けなければならなかったんだろうし、「他所がやらないことだからこそ!」みたいな部分もあったのかもしれないと思えました。
>2台目カラバリ以降のぶっ飛び度
いやほんと・・・ドン・ニコさんはあの謎車みたいなMk2を知ってたんですかねえ~?
あれはあれで魅力的なんだよなぁ。
これもう金型とかも潰れちゃってたりして・・・?
>レビュー依頼品送りつけ
いえいえ・・・全然苦しんではないですよ~w
というのも、レビュー出来る時にしかしてないですし、「書けなさそう」と思って放置してるヤツもたくさんありますし。。。
仰る通り「書くモデルをこれと決めてから調べ」てるんですが、それは送ってもらったものも自分で買ったものも同じなのでw
ただ「これを紹介したとして・・・誰かの役に立つんだろうか?」とか「手に入れられないかもしれないモデルを見せられて楽しいだろうか??」みたいなのはいつも思います。
それは特に提供頂いたモデルに関してだけじゃなくて、自分が入手したヤツでもそう・・・。
たとえばRLCアイテムとかなんてゲットしても単なる自慢になっちゃいそうだし・・・とか思うと逆に手が出ないっていうw(お金がないだけという噂も)
そんなわけなので、もしまた送って頂けるなら全然ありがたいんですけど・・・「レビューできるのがいつになるかはお約束できません」って感じです^^;
>レイルロッダーとドッグファイター
レイルロッダーは行きやすそうなんですけど、ドッグファイターがなぁ~!ww
やっぱcan-amって良いなぁ…
7LのV8載せたマシンって心躍るじゃないですか!
…ハッ!手が勝手にトミカのトヨタ7をポチッて…!
k55さん
コメントありがとうございます!
急になんすかw
>トヨタ7
トミカはこんなん出してんのか〜。侮れんな、、、