トレジャーハント・スーパートレジャーハントの歴史について
2019/12/19
ホットウィールコレクターにとって避けて通れないのがトレジャーハント。
実はホットウィールが大人にとっても魅力的なアイテムとなったキッカケに、トレジャーハントの存在がありました。
その歴史は長く、若いコレクターの中には「生まれた時にはすでにトレジャーハントがスタートしていた」なんて方もいるのではないでしょうか。
トレジャーハントの歴史についてまとめました。
トレジャーハント・スーパートレジャーハントの歴史
1995年 トレジャーハントシリーズスタート
トレジャーハントの歴史は、今から20年以上も前に始まっています。
ホットウィールの歴史において、70年代~80年代はホットウィールがある意味迷走していた時代。
今思うと熱い「スピードデモンズ」シリーズが生まれたりして、どことなくダサい、人気が失速する期間だったそうです。
そんな中、1990年にリリースされた「パープルパッション」(ラリーウッドデザイン)が大人に爆発的な支持を受け、「ホットウィールっていいよね」という熱が盛り返してきました。
ちょうど子供の頃にホットウィールで遊んでいた子どもたちが大人になった為、大人たちに再評価されたのではないかと思います。
日本におけるビックリマンシールやドラゴンボールみたいなものですね。
リアルタイムで楽しんでいた子どもたちと、現代の子どもたち双方が熱狂する時代に突入したわけです。
1993年には25周年記念モデル「Vintage Collection」が発売され、
また、ホットウィールプライスガイドが刊行されるなど、明らかにコレクターに向けた商品展開がスタートしていきました。
そして1995年、ついにトレジャーハントシリーズがスタートします。
トレジャーハント最初の12台
トレジャーハントは極端に流通量を減らしたモデルとして、月に1台、年間12種のラインナップでスタートしました。
1995年にデビューした最初の12台は以下の通り。
# | モデル名 |
---|---|
1/12 | Olds 442 |
2/12 | Gold Passion |
3/12 | ’67 Camaro |
4/12 | ’57 T-Bird |
5/12 | VW Bug |
6/12 | ’63 Split Window |
7/12 | Stutz Black hawk |
8/12 | Rolls Royce Phantom II |
9/12 | Classic Caddy |
10/12 | Nomad |
11/12 | Classic Cobra |
12/12 | ’31 Doozie |
1970年~1993年までに発売されたモデルの中から選ばれた12台で、
他のベーシックカーに比べて華やかに仕上げられたモデルたち。
見事にPurple Passionのバリエーションモデルである「Gold Passion」が入っているところに”大人向け路線”である事が伺えます。
そうか、THは子供の宝探しじゃなかったんだ!!
この頃は「TREA$URE HUNT SERIES」という1セグメントシリーズとしてスタートしています。
世界で10,000台という流通量だったそうです。
まだスペクトラフレームは採用されていなかったものの、メタルフレークボディでキラキラ輝いていたものや、半数の車はリアルライダーを履いているなど明らかに当時のメインラインの中では際立った存在だったことを伺わせています。
まさにトレジャーハント(宝探し)だったんでしょうね。
2007年 スーパートレジャーハントデビュー
トレジャーハントシリーズのデビューから実に12年後の2007年、
トレジャーハントよりもさらに流通量を少なくしたスーパートレジャーハント(STH)が登場します。
当時のスーパートレジャーハントの立ち位置としては、「TRE$URE HUNT$ セグメントの上位モデル」といった形で、トレジャーハント12車種に対して同じモデルをさらに豪華にしたモデルが紛れ込んでいるというものでした。
ただでさえ希少なトレジャーハントに対し、もっと希少なスーパートレジャーハントの登場は、当時のコレクターたちを熱狂させるのに十分だったはずです。
ちなみにスーパートレジャーハントの登場でトレジャーハントの流通量は逆に増えることになり、その希少性も若干薄れていきました。
スーパートレジャーハント最初の12台
初めてスーパートレジャーハントになった、2007年のTRE$URE HUNT$シリーズ12台はこちら。
# | モデル名 |
---|---|
1/12 | ’69 Pontiac GTO |
2/12 | Nissan Skyline |
3/12 | ’69 Camaro Z28 |
4/12 | Corvette C6R |
5/12 | Mega Thrust |
6/12 | Hammer Sled |
7/12 | Brutalistic |
8/12 | Jaded |
9/12 | Enzo Ferrari |
10/12 | Custom ’69 Chevy |
11/12 | Cadillac V16 |
12/12 | Evil Twin |
例えば’69 Pontiac GTOであれば、THはボディがエナメル塗装でタイヤもプラスチックの5SPタイヤなのに対し、STHはメタルフレーク塗装でタイヤがリアルライダー(ゴム製タイヤ)の5SPといったような、仕上がりの差があります。
また、12台中半分以上のSTH車種に、デビュー当時のホットウィールの塗装方法である”スペクトラフレーム”が採用されたのも豪華さを際立たせる特長の1つと言えます。
[参考]スペクトラフレームに関する考察まとめ。スペクトラフロストとの違い。
2008年 STH全車種リアルライダー採用
デビュー当初から豪華だったスーパートレジャーハントの豪華さに拍車をかけるように、
2008年のスーパートレジャーハントモデルは全車種がリアルライダーを履くようになりました。
逆にTHはSTHの登場以来リアルライダーが採用されることはなかったみたいです。
2010年 STH全車種スペクトラフレーム採用
そしてなんと2010年にはついに全車種にスペクトラフレームが採用され、より豪華なシリーズとなりました。
余談ですがスペクトラフレームは現在、HWCで購入できるNeo Classicsシリーズか、STHでしかゲット出来ません。
現行ではありませんが、レアものを扱う専門店で比較的入手しやすいHot Wheels Classicsシリーズでもスペクトラフレームを確認することは可能ですが、一度みたら取り憑かれるほど美しい塗装法です。
2011年 年間15車種へ拡張
1995年以来、月に1台というペースで年間12種だったTH、STHが2011年には年間15種に拡張されました。
もしかすると、現在のように1アソートに1種ずつ、という体制になったのがこの時なのかもしれません。
2012年 スーパートレジャーハントの独立
2012年にはSTHは「TREA$URE HUNT$」セグメントシリーズの上位車種という形ではなく、
通常のセグメント内の1車種における上位車種という立ち位置に変更になります。
つまり、TREA$URE HUNT$というセグメントシリーズでTHは存続するものの、
それ以外のメインラインにおける別セグメントシリーズからSTHが登場するというスタイルになりました。
2012年のTHとSTH
2012年時点でのTHとSTH、それぞれ15車種は以下の通り。
STHには同車種のレギュラーモデルが存在し、2016年現在のスタイルに近い形になりました。
※THにはレギュラー車種なし
# | T-HUNT | SUPER T-HUNT |
---|---|---|
1/15 | ’41 Willys | ’69 Dodge Coronet Super Bee (Muscle Mania Mopar ’12 – 4/10) |
2/15 | Ducati 1098 | ’67 Chevelle SS 396 (Muscle Mania GM ’12 – 10/10) |
3/15 | ’69 Chevelle SS 396 | ’70 Camaro Road Race (HW Performance ’12 – 4/10) |
4/15 | Ford GT | ’73 Ford Falcon XB (Muscle Mania Ford ’12 – 10/10) |
5/15 | ’69 Corvette | ’67 Ford Mustang Coupe (Muscle Mania Ford ’12 – 6/10) |
6/15 | Tyrrell P34 | ’71 Dodge Challenger (Muscle Mania Mopar ’12 – 2/10) |
7/15 | ’67 Custom Mustang | ’71 Maverick Grabber (HW Racing ’12 – 9/10) |
8/15 | ’52 Chevy | ’66 Ford 427 Fairlane (Muscle Mania Ford’12 – 2/10) |
9/15 | Ferrari 430 Scuderia | Honda S2000 (HW Performance ’12 – 1/10) |
10/15 | ’65 Chevy Malibu | ’69 Camaro (Muscle Mania GM’12 – 8/10) |
11/15 | Ford Shelby GR-1 Concept | Volkswagen Beetle (Heat Fleet ’12 – 1/10) |
12/15 | ’65 Ford Ranchero | Ferrari 599XX (HW All Stars ’12 – 5/10) |
13/15 | Surf Crate | ’70 Chevelle SS Wagen (HW City Works ’12 – 2/10) |
14/15 | ’92 Ford Mustang | ’09 Ford Focus RS (HW All Stars ’12 – 9/10) |
15/15 | ’70 Chevy Chevelle Convertible | ’11 Dodge Charger R/T (HW Main Street ’12 – 1/10) |
2013年 THシリーズの廃止
2013年にはセグメントシリーズの大幅な変更があり、TRE$URE HUNT$セグメントシリーズが廃止されました。
これによって、現在のスタイルと全く同じ、THもSTHも通常のメインラインの1車種として紛れ込む事に。
また、なぜかSTHはHW Showroom内に全車種存在していました。
シリーズが廃止された事により、台紙にTREA$URE HUNT$と書かれなくなってしまったため、THと通常車種を見分けるのが困難になったかに思われましたが、TH・STHそれぞれを表すシンボルが車体に印刷されるようになり、より宝探し感が増すことに。
トレジャーハントのシンボル
トレジャーハントのシンボルは○の中にファイヤパターンが描かれたもの。
車体のどこか一部分にこのタンポを見かけたらトレジャーハントということです。
ちなみにこのファイヤパターン、台紙にも描かれているホットウィールのロゴの左端を切り抜いたものだったりします。
スーパートレジャーハントのシンボル
スーパートレジャーハントは車体の一部に「TH」のシンボルが入っています。
トレジャーハント、スーパートレジャーハントの見分け方については以下の記事を参考にしてください。
[参考]トレジャーハント・スーパートレジャーハントの見分け方や混入確率について。
おわりに
以上、トレジャーハントの歴史についてでした。
実際に持っているTHは2016年のTHと、2006年のTHだけなので、
あとは参考文献として以下のサイトを見ながら妄想を膨らませてまとめた感じです。
間違っている情報があればご指摘頂けると幸いです。
参考サイト
Treasure Hunts – Hot Wheels Wiki
追記
トレジャーハントのロゴ変遷についてもまとめましたので、参考にしてみてください。
Comment
そ~いえば、最近、STHお目にしたことがありませんね~・・・。
私がお世話になっているお店は入荷が一箱なので、混入確立が低いですよ~。
もう少し、多めに入荷してほしいものですが、贅沢は言えませんね~。
一昔前には、某100円ショップでも一時流通していた時期がありましたけど・・・
(バンダイ時代の在庫が、流れたんだと思いますが・・・)
その頃が、一番良かったかな・・・。
水戸さん
コメントありがとうございます!
僕が利用している西友もおそらく1ケース(THが1台しか入ってこないので)なんですが、
先月STHがあったそうで、初めて生STH拝むことができ、幸せでしたw
多めに入荷してもらったら、その分「謎車」も多めに買わないといけないですからね。
某100円ショップ(どこだろう・・)にもあったんですね!
1台100円で買えるなんて羨ましすぎます。
ホットウィールは「えっ、こんなとこでも扱ってるの??」っていうのがたまにあったりして、それがまた面白かったりもします。
某100円ショップとは、シルクですよ。
しかし、バンダイ時代の在庫が流通していたので
もうかれこれ、だいぶ経ちますが・・・。
その頃、関東の学校に通っていたので
所沢プロぺ通りにあった、シルクとかで
黒のシボレーシェベルのTHとか(その頃、STHはありませんでしたが)
見つけては、うひょ~と喜んで買っていた時代でした。(笑)
(さすがに、今のシルクでは、HWの取り扱いはありませんが・・・)
今となっては、良き思い出ですが、ほんと、その当時はいろんなお店で
扱われていたので、コレクターにとっては、良い時代でしたね・・・。
最近の「えっ、こんなとこでも扱ってるの??」となると、ホームセンターの
フック玩具コーナーですかね・・・2~3個ぐらい掛かっているのをたまに見ます。
愛知県のカーマ系列で、関東にもお店があったと思います。
値段は、高めですが・・・、ごくたま~に、良いものがぶら下がっているときが
ありますよ~。
シルクにあったんですね~。
ちょっと調べたら、ケースで入荷していたそうで・・・その時代のシルクに今から行きたいぐらいですw
>最近の「えっ、こんなとこでも扱ってるの??」となると、ホームセンターの
>フック玩具コーナーですかね・・・2~3個ぐらい掛かっているのをたまに見ます。
えっ、そんなとこで!?
しかも2~3個って・・・どんな基準で入荷してるんですかね。。。気になります。
初めまして、こんにちは
私が初めてTH手に入れたのは、正規輸入が復活した99年でした。
当時はまだ情報も無くTHの存在すら知らない状況で、偶然立ち寄った東急ハンズ(当時はハンズでも販売されてた)で、日本語台紙の中で1台だけ英語表記のフェラーリF512Mがあったので気になって手に取ると、何やら立体感のあるホイールを履いててカッコよかったので他の数台と共に購入しました。
後で調べたらそれがTHで、99年はそれまで履いていたRRを止め魅力の薄まった不遇の時期にあたり、その中で唯一プロサーキットホイールを履いていたのがF512Mでした。
それを機にHWを本気で集める様になりましたね…思えば遠くへ来たもんです。
関西でもホームセンターで置いてるところありますよ。陳列数が少ないのと意外と知られていないのとで、荒らされる事も少なくごくまれに珍品に出会えたりします。
数年前ですけど、’69シェベルSS 396のTHも偶然ホムセンで見かけて買いました。
あ、長文失礼しました
トルネオさん
コメントありがとうございます!
当時のTH事情・・・僕みたいな新参にはとても貴重なお話です。
やっぱり情報がない中で、ご自身の目で見つけていっていたんですね。・・・すごい!
最近のトイザらスのような殺伐とした(w)環境の中ではゆっくりと手に取ってTHを探す・・・なんてことができないのが残念です。
>関西でもホームセンターで置いてるところありますよ。
ホットウィールは本当に神出鬼没ですねw
でもTHばかりを狙っていくのでなければ、こういった穴場で珍品に出会うというのも本当の意味でのトレジャーハントな気がしています。
何気にそういうのが楽しかったり。
>数年前ですけど、’69シェベルSS 396のTHも偶然ホムセンで見かけて買いました。
おおおおお!!
マジですか。
なんどかオークションで見かけては購入を断念していただけに羨ましいですw
こんなゆるゆるなコレクターのコメント頂きありがとうございます。
そうですね、最近は発売日に行かないとどうしようもない事が多いですね…THどころかめぼしい物が片っ端から持って行かれますから。
THと言えば、昔全国展開していたハローマックという玩具量販店でも買えた事がありました。
なんと同じ店で同時に2台も売ってたのです。さすがに驚きました。
モノはロータスプロジェクトM250で、ワインレッド単色のボディにレッドライン入りのRRを履いた、コレクターでなければ見落としそうなほど地味~なモデルでした。(一応屋根にTHのロゴは印刷されてましたが)
後にも先にもあんな経験はありませんでしたね。1台手に取った後でもう1台見かけた時には本気で二度見しましたもん(w)
個人的には、HWはもう存在自体がTHみたいなモノだと思っていますので、一期一会(?)の精神で楽しむようにしています。
…まぁこれ以上増えると置き場にも困るので、あくせく走り回って買い漁る訳にも行かないんですけどね、正直なとこ(w)
ホームセンターは本当に穴場です。価格は定価が基本みたいなのでトイザらス等に比べると若干割高ですが、探しに行く価値はあると思いますよ。
知ってる所では、フィアット500のポリス仕様やバットモービルなんかが何か月も売れずに残ってたりします。
…半面、売れ残ったままだといつまでも補充されないので、他のストックが出て来ないのが難点ですけどね。
にわかマニア様も是非出向いてみてはいかが?
トルネオさん
いえいえ、こちらこそコメント頂けて嬉しいです!
>THと言えば、昔全国展開していたハローマックという玩具量販店でも買えた事がありました。
ハローマック、懐かしいですね~w
昔は幹線道路沿いなんか至る所にあった印象です。
僕もよくお世話になっていました。(ホットウィールは知りませんでしたが・・・)
今はたしか、もう全店閉店してしまわれたとか。
それにしても1店舗に2台はすごいですね!!
そりゃ二度見しちゃいますw
>HWはもう存在自体がTHみたいなモノ
確かにそうですね~。
そう思うと、逆に「出会えなかった物はそういう運命だった」と諦めもつきそうですw
>ホームセンターは本当に穴場です。
いやー、全然思いつきませんでした。
そういえば一番近所のホームセンターには、ホットウィールはなかったけれどトミカなら大量においていました。
ああいう感覚でホットウィールがあったりするのかな。
ホームセンター、探してみたいと思います^^